第1回 日本学生
ショートインカレ
実行委員長報告
   
委員長 木村佳司
1.第1回ショートインカレ報告
2.大会運営報告
3.委員会報告
4.会計報告
5.委員長所感
 
 
1.第1回ショートインカレ報告
    
 1993年10月28日(日)長野県伊那市鳩吹高原一帯において、第1回日本学生ショートオリエンテーリング選手権大会(略称:ショートインカレ)が開催された。 
 選手権292名・チームオフィシャル18名・併設大会114名の計424名がエントリーした。運営者は28名だった。 
 当日は何とか雨にはならなかったものの、10月下旬にしては希にみる寒さと強風の中での大会となった。ゴールに設営したテントが風で飛ばされたり、表彰台に貼ってあった順位を示す張紙などが風で飛ばされるなど苦労した。 
 参加者には防寒の必要性を強調しておいたが、予想以上の寒さに参加者も驚いているようだった。 
 初めてのショートOLの学生選手権だったが、1年前に試行大会を経験しているせいか、参加する学生側にも特に混乱はなく、実行委員会のタイムスケジュールに従って順調に予定をこなすことが出来た。 
 決勝はダウンヒルを主体としたスピードが出るコース設定だった。ショートOLのコンセプトでもある「タフよりスピード」を実現したコース設定だった。男子選手権は東北大学の入江選手が、女子選手権は名古屋大学の山口選手がそれぞれ大学日本一栄冠を手にした。優勝タイムは男女共に30分を僅かに切る程度でほぼ主催者の予想通りであった。 
 コース中間にビジュアル誘導区間を設け、会場のすぐ横を通る様にした。「見るスポーツ・ショートOL」を実践した。このビジュアルは観客となった参加者からなかなか好評だったと聞いている。 
 実況中継が強風などでうまく機能しなかったが、このビジュアルがそれを補った形となった。 
 
 
2.大会運営報告

 大会運営は、信州大学OBと大学OLC-OBの長野県在住者・長野県OL協会メンバーでほぼまかなった。 
 この大会を運営するにあたって「少人数運営」を明確なコンセプトとして打ち出して進めてきたが、これは100%達成できたと言えよう。 
 参加者はわずかに424名だが、今大会はショート-Oということで、大会作業量は700名規模のクラシカル-O大会規模であった。これを僅か28名で運営したことを誇りに感じる。運営メンバーは何れもOL大会には通じた者で小数精鋭の運営だった。 
 大会の現場においては、各チーフが自分の役割をしっかりと理解して、自分の判断で実行してくれた大会全体を通じては正確なマニュアルにより、各運営者の意志と情報が統一されて、各人の行動が明確に指示されていた。必要な情報はもらさずマニュアルに記載するように努力した。 
 このマニュアル作成は大会実行委員長が一人で作成したものである。このため、運営の統一性については問題なかった。選手権を開催するにあたってはこういった運営の意志統一が必要であろう。その反面、各チーフの特徴が出せなかった。 
 マニュアルと僅かな説明だけで、大会を成功に導いてくれた実行委員の能力の高さには敬服する。  
 

 
3.委員会報告

 実行委員会のミーティングが行なわれたのは前日の打ち合せを含み、全部で僅か3回のみである。全員が一堂に会したのは大会前日のみ。
 地方の宿命として、大学OBが卒業と共に遠隔地へ就職することが多く、今回も遠隔地から運営に来てもらった人がいる。事前の運営準備は実行委員長がコツコツと行なった部分が大きい。
 地図はRMO-サービスに破格の価格(\50万)でお願いした。実行委員会は地図を買う方式であり、この地図の所有権はRMO-サービスに帰属する事になった。
 この地図作成にあたってはRMO-サービスは赤字になっている。ただしこの赤字は、1994年夏に同地図で開催する長野県OL大会(RMO-サービス共催)によって解消する。RMO-サービスには感謝したい。

 
4.会計報告

 収入 \1,460,408
 支出 \1,609,053
  利益 \ -148,645
 詳細は別紙「第1回ショートインカレ実行委員会会 
計報告書」を参照されたい。
                      、
 約15万円の赤字となってしまった。もっとしっかりした経費管理を行なえば、あと20万円は改善される余地があったはずである。努力すれば黒字も可能であったにもかかわらず、赤字になってしまって申し訳ない。赤字の要因を以下に延べる。                      
(1) バス代
 選手権ということで、必要以上のバスを確保してしまった。大会当日は実際にはマイカーでの参加者が予想以上に多く、空バスが何台も出てしまった
 バス券を発行してきちんと管理すれば\15万以上削減可能だった。バス券を発行しなかった理由は、少人数運営のため、バス券チェックまで人が割けなかったため。運営人数をお金で買った形となった。

(2) 大会役員交通費
 特に乗り合わせ指示を出さなかったら、一人一台で乗り付けた役員が多かった。役員がいろんな方面に分散しているので、乗り合わせは難しい面もあるが、うまく乗り合わせすれば\3万以上は削減可能であろう。

(3) プログラム発送費
 プログラムは参加者自身にダイレクトメールで発送した。大学代表者宛にまとめて発送すれば\7万は削減可能だった。ショートインカレ前は夏休み・前期試験・秋休み(大学による)等の理由でクラブのミーティング等が開催出来ないクラブも多いと判断して、ダイレクトメールでの発送となった。
 ちなみに第2回ショートインカレの開催日は後期が始まってすぐの時期、大学によってはまだ休暇中にあたる。

 
5.委員長所感

 会計が約\15万の赤字になった事以外はまず、成功といっていいだろう。年々大規模になる3月のインカレについて、また今後の大会運営についての一つの方針を出せた大会だったと思う。 また学生諸君に対して、ショート-Oについての魅力付けもある程度成功したのではないかと自負している。
 今回優勝タイム設定が30分弱の設定になったが、やはりショート-Oの優勝タイムは20分前後が望ましい。近年の日本選手のレベルの向上により、クラシカル-Oのウイニングタイムも短くなる傾向にある。その中でショート-Oとしての特徴を出すためにはクラシカル-Oとの差別化をはっきりと行なうべきだろう。
                                                
 今回のショート-Oでは併設クラスはマススタートのショートコースだった。しかしこれでは併設大会の魅力付けが乏しい。参加者も114名しか集まらなかった。ショートインカレが今後黒字運営出来るかどうかはこの併設大会の参加者数にかかっていると言っても過言ではない。
 今後のショートインカレでは併設クラスはクラシカル-O方式のタイムスタートとして、魅力付けすることをおすすめする。
 3月のインカレでは併設大会の縮小が検討されているが、選手権としての質を維持していく為には資金は必要欠くべからざるものである。併設大会はインカレ運営において最も重要な資金源である事を充分頭に入れて、省力運営の議論を重ねて行ってもらいたい。

 
ショート クラシカル
ウイニングタイム 20分 80分
テレイン 抜群のフラット 様々な課題設定
勝者の条件 スピード
 & ナビゲーション
スピード
& 強さ
& ナビゲーション
課題設定 ある程度の
課題設定ができないのも
やむおえない
すべての課題要求
コントロール位置 非常に見易い 見易い
ビジュアル 望ましい どちらでもよい