第5回インカレショート実行委員会活動報告
競技責任者:中堀 剛
 
 
 第5回インカレショート・併設大会および白糸の滝リレー大会に参加されたみなさま、大会の感想はそれぞれだと思いますが、いかがでしたでしょうか。この日まで1年間準備を重ねてきましたが、それがみなさんのご期待に沿えたかどうかは参加されたみなさま一人一人の胸の内にいろいろな感想として残っているかと思います。
 
テレイン

 テレインは一部が「天子ヶ岳」のリメイクでした。当初1/15、000で作成予定であった地図も新規の範囲の微地形の入り組んだ部分をよりよく表現できるよう急遽1/10、000に変更しました。この部分は富士山麓には珍しいテレインでした。予選・併設で使用した範囲とファイナル前半の部分ではオリエンテーリングを堪能していただけたかと思います。
 しかしながら、このテレインではオリエンテーリングを堪能できる部分は面積的にごくわずかで、選手権大会を開催するには普通に考えると大変厳しいテレインであります。このようなテレインでもインカレを開催できるのが「ショート」の強みであり、このことは通常大会開催を見送るようなテレインでも十分ショートを開催できるいい具体例になったと思います。今後のショート開催に関しての
モデルになれば幸いです。
 

 
モデルイベント

 モデルイベントは地図の一番西側を切断して使用しました。北山をモデルイベントの代わりにする予定でしたが、縮尺の変更がありましたので、参加者のみなさんに十分な準備をしてもらえるように地図の一部分をモデルイベントとすることにしました。そのモデルイベントで、インカレショートに出場予定の北東学連の選手が負傷する事故が発生しました。コントロールを結ぶ直線上に結果的に怪
我を誘発するような個所があったことについては危険を回避するべく配慮すべきでした。
 モデルイベントの範囲内を参加者に自由に使用してもらう以上、すべてをフォローすることはできませんが、モデルイベントはコース試走と違って範囲内をよりくまなく試走するしか対処方法はありません。第6回大会実行委員会に詳しい状況を報告して今後こういう事故が発生しないよう対処していきたいと思います。
 ただ他の一般的なスポーツに比べて、オリエンテーリングは怪我を誘発しやすい、もしくは間違えばとんでもないこともおこりうる環境で行うスポーツであり、運営者もそのすべてを管理はできません。「個人の責任」に頼る部分が大きいです。与えられる競技環境が万全ではない(山の中に入る以上いつでも危険とは隣り合わせである)中で競技するものであることも事実です。このあたり、クラブ内等で上級生が後輩に啓蒙していってほしいと思います。そういう努力も最終的にインカレでいう「学生参加」につながります。
 

 
バス輸送

 予選・併設で使用したテレインは会場から徒歩で移動するには距離がありましたので、スタートまでの移動はバスを使用しました。ゴールも会場からは遠く、会場までバスでの輸送も検討しましたが、時間的な問題と輸送のスムーズさを考慮して(特に問題視したのは計算できない白糸の滝付近の渋滞でした)、参加者にとって大変なことは承知でしたが徒歩での移動を選択しました。 

 
Bファイナル事前抽選

 これはBファイナルのスタートリストを予選結果をもとに作成するという時間的に多大な作業を簡略化する目的で行いました。ファイナルまでの時間的な制約に対してのアイデアとして、Bファイナルはあらかじめ抽選し、プログラムで参加者に公表しました。予選からファイナルまで十分な時間の取りにくいショート競技の問題に対して、参加者・運営者ともに助かる部分があったと思いますが、
いかがでしたでしょうか。
 Bファイナルはスタートリストの事前抽選と同様にスタート方式に関しても今回独自の方式を採用しました。レーンによる20秒間隔でのスタートを行うもので、演出上の問題からAファイナルゴール時にはBファイナルの選手が全て帰ってきている状態となり、Aファイナルをたくさんの人に観戦してもらおうとしたことがその理由です。
 スタート方式に関しては「一斉スタート」がすぐに上がったのですが、「地区選考会を勝ち抜いトきた選手に対してもう少し楽しんでもらおう」「今後の参加者への魅力を削ぐのでは?」といった議論が繰り返され、スタートは通常通り、ただし間隔は出来るだけ短く、という事より、スタート役員のぎりぎりという判断で「20秒間隔スタート」を決定しました。実際に行った所、Bファイナル参加
者の皆さんの自主的な行動によりスムーズに運営することができました。特に問題もなく、スタート方式に関しては概ね成功と言えると思います。 

 
計算センター

 今回計算センターではWindows上のソフト(MS-Access)を使ってタイム計算を行ないましたが、その中で簡易なクライアント/サーバの構築を行いました。1台サーバと見立て2台をつないだ訳ですが、どのパソコンからもすべてのクラスの「入力・検索・速報印刷・賞状印刷」を同時に行え、処理の効率化にもつながりました。
 使用に際し十分耐えうる物である事も確認され、今後の計算センターのLAN化はますます進んで行くでしょう。

 
速報

 Aファイナルのスタートリストは11:00までということでしたが、実際は10分弱遅れてしまいました。しかし、Bファイナルのバス輸送のトップが10分遅れたこと以外はスムーズにファイナルへの移行ができたかと思います。Bファイナルスタートリスト事前抽選により、予選からファイナルまでの動きのイメージが大会前にできたことと思われます。その結果例年よりファイナルまで時間に余裕
ができたのではないでしょうか。
 併設の速報はAファイナルのスタートリストが出来たあとに行う予定だったのですが、この点のアナウンスを全くしていなかった点に大きな問題がありました。併設クラスの参加者にとって、レース終了後から速報が出るまでの時間が長くなり、速報が遅くなる結果となり不快な思いをさせてしまったことに関して大変申し訳ない次第です。これは、速報所に掲示開始時刻を書いておくだけで防げたことと思われますが、その辺りの配慮が足りませんでした。申し訳ありませんでした。
 

 
白糸の滝リレー大会

 リレーに関して、ウムスタート予定時刻の前でしたが、4走最後のランナーが他のチームに比べて遅くまで出走できない状況にあったため、そのチームに対して繰り上げウムスタートの提案を行いました。しかし、このことは「つなぎたい」というリレーに参加する全選手に共通する気持ちに対して大変失礼な行動でした。大変申し訳ありませんでした。
 競技全般についてはテレインと会場の設定上コース的には厳しいものがありましたが、同期対抗や運営者チームに挑戦など大会全体として楽しんでもらおうというコンセプトがありました。このあたりの詳しい報告は他でくわしく述べられていますので、そちらを参照下さい。 

 
 最後に、スピードを競うショート、仲間の待つリレーという普段以上に急ぎたくなる2日間で、テレイン上の制約とはいえ「交通量の非常に多い道路の横断」というひとつ間違えば交通事故になる状況において無事故で大会を終了できたことは、ひとえに、事故を起こすまいと車の罵声にも耐えた誘導役員の頑張りと、参加者のみなさんのご協力によるものです。ありがとうございまいした。