第5回インカレショート実行委員会活動報告
演出責任者:大西淳一
 
 
 今大会の実行委員会では「演出」が「運営」「競技」と並ぶ3つの柱の一つと位置づけられ、演出に関しては「できるかぎりのことをする」という方針でいくことになりましたので、思いついたことのうち実現可能なものすべてを実行に移すくらいの気概で臨みました。もちろん予算の制約は存在し、それは厳しいものでした。そのほかにも事前・当日の時間的な制約、会場の空間的な制約、放送機
材などの物理的な制約などいろいろな条件のなかでいかに面白い演出、みなさんに満足してもらえる演出を考え出すかが腕の見せどころでもありました。
   
 ここで、今回の演出でとくに工夫した点、今回初めてと思われる試みなどを簡単に紹介します。

・観客の視線を一方向に集めるための会場レイアウトの工夫
・観客数を確保するためのタイムスケジュールの工夫
・速報ボードの大型化・強度向上/ステージの見栄え
(大会名が写真に入るように)
・ゴールレーン脇に大時計を設置(優勝確定の瞬間が分かる)
・史上最速の速報
(ゴールと同時に暫定タイムをボードに記入)
 出走者全員の速報表示
・無線・ゴール・計センパートとの連携による情報伝達の効率化・高速化(選手の通過・接近、成績の確定などの情報)
・ミニFM放送の試行
(スピーカから遠い役員へのサービスの目的もあり)
・ラジオ番組に近い放送内容の完成度の追求
(音楽・効果音の利用)
・分刻みの演出マニュアル(台本・段取り)の作成
・対話形式の実況/インタビュー回数の増加/直前試走/コース紹介
・ 携帯電話を使った現地リポート
(スタート待機所・中間ラジコン・ランナー追走・
  運営者チームランナー)

 これらのアイデアのうち、タイムスケジュールと会場レイアウトについては2年前の日光インカレショートの報告のなかで述べられている演出方針を参考にし、さらに放送・速報態勢については、世界選手権やワールドカップ、O-Ringenといったヨーロッパ(とくに北欧)の大会に近いものを目指そうとして考え出されたものです。
 

   
 今後も、インカレ・インカレショートでは大会を盛り上げるために、さらに完成度の高い演出が(とくに観客の側から)要求されることと思います。これからの大会運営では、電子メールを使った情報伝達、地図調査の技術革新などによって事前の打ち合わせや現地入りの回数、地図調査・作図の作業量、それらのための出費は減少するため、その労力・経費を演出の準備に回す余裕も出てくるでし
ょう。
 しかし、ここで一度、「なぜ演出をやるのか」「どの程度の規模・どのような内容の演出が要求されているのか」「演出にどれくらいのお金をかけてよいのか」ということについて、議論する必要があると思います。今回は誌面の都合もありますので、また別の場所でということになると思います。ただ、この質問への答えが明確になっていないと、演出をやるほうとしては何をやればよいのか、何をしてはいけないのかが判断できません。是非、みなさんからの意見、今回の演出に関する感想をお聞かせください。競技者、観戦者、そして演出以外の運営者、さらには主催者(日本学連)、それぞれの立場の主張・欲求を突き合わせたところから、「演出の進化」は始まります。 
   
 さて、最後になりましたが、今大会では前橋OLCの方々にあの大きな速報ボード・ステージの設計・資材提供・運搬・設営をお願いしました。また、今回の演出には演出パート以外の方々にもいろいろとご協力をいただきました。この場をお借りして皆さんに感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。