実行委員会活動報告
(将来への提言)
第6回インカレショート実行委員長:松久 覚
 
 
1.第6回大会を振り返って

(1)はじめに
 1998年9月27日(日)岐阜県坂下町において、第6回インカレショートが開催された。今回の大会は昨年・一昨年と異なり、一日だけの単独開催となり、参加者の大幅な減少が危惧されたが、幸いにして750名を超える参加申し込みをいただき、天候はさておき大いに盛り上がった大会となった。

(2)スポレクとの実質2日間大会
 今回の大会は、「スポレク岐阜」という言わばレクスポーツ(オリエンテーリングもこの分類に入る)の国体版の開催地である坂下町のテラインを一週間前に使わせていただくことで実現した企画であり、地図の制作等の負担は単独大会というよりは、2日間大会のうちの1日分で済ますことができた。また、スポレクの一環として当大会を地元に支援いただき、有形(記念品・資材借用)・無形(地元交渉等)のご協力をいただいたことで、大会運営経費は本当の単独開催では実現不可能なぐらいに、切りつめることができた。
 今回の大会の結果だけを見て、ショートの独り立ちが可能といった考えを持つのは、問題があると考える。

(3)東海地区での開催について
 今回のショートの開催は、言わば青天の霹靂のごとく東海地区に降りてきた話であり、東海地区の長期計画に入っていた、平成10年度全日本(今年度)と2000年度の愛知インカレに急遽割り込む形での準備となった。
  そもそも名古屋地区には名古屋大学以外に有力な大学が無く、経験ある役員の不足が当初より危惧された。そのため、計センに木村・新帯という年長者を配置し、残りを若手OBで構成する事となった。結果、チーフ12人の内の4人のみが名古屋地区の大学出身、その他は私のようなUターン組や、転勤等で名古屋に来た者という、当初予想もしていなかた役員の構成となった。
 これは、予期せぬラッキーな結果であり、同時に今回の大会が大きな問題も無く開催までこぎつけることが出来た、最大の要因である。
 また、今回の運営メンバーを中心に、2年後の愛知インカレに向けて良い練習が出来たとも言える。

(4)電子メールの活用等による、打ち合わせ・会議の削減
 開催決定当初より、運営費用の削減が求められていたことも有って、極力会議を開催せずに準備を行う事とした。結局正式な実行委員会は2回。更にチーフクラスの打ち合わせも、大会や試走会・作業日を除くと2回のみしか行わなかった。主なやりとりや連絡、細かい事項の決定も、ほとんどがメーリングリスト上で行われ、電話での連絡が電子メールの補足として使われる結果となった。
 私が副実行委員長を経験した雪の岐阜インカレと比較すると、事務処理や書類の配付。細かい事の決定などの雑務が、ほとんどメールで事たり、インカレ開催=廃人やまっとうな社会人からのドロップを生んできた、数年前までのインカレの開催と比較して、大幅な業務量の削減を可能としていることを実感した。
 一方、メールを持たない1名のチーフと約5名の役員は、情報から隔離されてしまう結果となったことも否定できず、今後の更なる電子メールの普及を期待したい。

(5)茨城インカレからの資材の引き継ぎ
 なにやら良く分からないままに、大会直前に茨城インカレの資材を引き継ぐことが出来た。しかし、茨城の時に購入したすべての物が引き継がれた訳でなく、良くわからないままに結局購入してしまった資材も多かった。
 今回のショートの資材は、リストを作成のうえ山口インカレに引き継ぐ計画であり、今後もクラシカル→ショート→クラシカルと、資材の引き継ぎが円滑に行われることを期待する。


2.第6回大会で顕著化した諸問題について

(1)枠の返上に伴う、繰り上げについて
 今回の大会では、悲しいことに、一部地区での女子競技者の減少により、地区代表枠の返上という事態を招いてしまった。枠の返上後の取り扱いが技術委員会預かりとなり、再配分の決定が行われないままに、8月下旬の申し込み締め切りを迎え、結局繰り上げ者のエントリー受付は、正式申し込み締め切り後1週間を経ても、完全に終わらない事となってしまった。
 規約に明確な定めの無い事項とはいえ、もう少し円滑な処理方法をとる必要が有ったと痛感している。(技術委員会への返上申し入れの期限等の設定等) 来年以降も同様の問題が起こる可能性大であり、今年のごたごたを教訓に、実際に申し込みのどたばたに合った地区代表幹事の意見を聞いて、幹事会および技術委員会で、来年以降の対応をきちんと議論していただきたい。
 

(2)当日繰り上げ参加者の保険の問題について
 今回の大会でも、大会前日の代表選手の変更受付の際に数名の繰り上げが行われた。しかし、旅行会社を通じての、傷害保険の変更(追加申し込み)の最終期限は経過しており、併設参加者からの繰り上げで無かった場合には、保険がかからない状態での参加となってしまう状態であった。
 幸いにして、今回の繰り上げ者は全員併設申し込み済者であった為、問題とならなかったが、今後保険の契約方法等でクリア可能かどうか検討が必要と考える。

(3)Aファイナル競技エリア内へのBファイナル出場者の進入について
 今回は、Aファイナルのスタート開始の前に競技が大方終了する時間差でBファイナルを行った。
 故意か過失かはわからないが、Bファイナルのルートから大きく外れた地点にあるAファイナルルート上にBファイナル参加者が現れ、Aファイナルの直前試走を行っていた運営者に発見されるという事態が発生した。
 この件は、BファイナルをAファイナルのテラインと同一地域で行う事が問題であるとも言えるし、Bファイナル自体の位置づけの検討も必要と考える。
 私としては、今年の反省も踏まえ、来年以降は(1)BファイナルテラインのAファイナルテラインとの分離や、(2)テラインの制約によっては、Bファイナルの中止といった決定もやむを得ないのではないかと、思わざるをえない。

(4)イベント役員のルート上への出没について
 今回、Aファイナルの幾つかのコントロール付近およびルート上にイベントの中間計時を目的とした役員を配置した。一部Aファイナル出場者より、意見書が寄せられた。この件に関しては、以下の問題があり、実行委員会としても次回以降対応が必要と思われる項目があるため、書かせていただく。

A、彼らは、有人コントロールではなく、あくまでイベントを目的としたリポータであり、位置説明等への明記は不要と考える。
B、実行委員会としては、プログラムP7において、コース上の計時地点の存在を明らかにしたと認識しており、リポータの存在が突然であったとの意見には合意しかねる。しかし、彼らの存在をより明確に公表しておく事は可能であったとは思われる為、今後のインカレに際して注意するよう、学連に対して報告は行なっておく。
C、技術委員会の決定事項にもあるように、会場における個人のタイム・順位等の実況に問題はないと思われ、今回同様の速報や放送等は来年以降も行われてしかるべきと考える。
D、なお、当件は従来よりさまざまな意見が出ており、議論が行なわれた問題であるが、できれば今回の問題を契機に、技術委員会等の場を通じて活発な意見交換が行なわれ、学連内での合意が形成されるよう取り組むことを強く提言する。

3.終わりに

 限られた時間と労力の中で、何が出来るか、何まで出来るかが、最初から最後まで最大の課題であり、一番の悩みであった。今後もショートがどんどん盛り上がり、中止や赤字運営とならぬよう、関係者一同気を引き締めて取り組んでいきたいと思う。