ユニバーと学連の関わりについて
羽鳥が知るところを書きます。
但しもしかしたら認識に間違いがあるかもしれないけど、大方あっているでしょう。
1. ユニバーとは
ユニバーは通称であり、世界大学オリエンテーリング選手権 World University Orienteering Championships WUOCが正式名称となっている。
2.開催
ユニバーは、世界大学スポーツ連盟(フランス)FISU Federation Internationale de Sport Universitaire
英名 International University Sports Federation が主催する世界大学選手権ユニバーシアード(仏語Universiade)の総称であり、2年に1度総合大学選手権大会(神戸や福岡ユニバーシアード等)として開催されるスポーツ(水泳、陸上などは合同大会となる)と、競技の性質からオリエンテーリングのように単種目ごとに開催される2種類の形態がある。
一般には総合大学選手権大会の方をユニバーシアードと呼ぶが、最近は新聞記事などを見る限り必ずしもそうではない。
3.組織
日本には日本大学スポーツ連盟(NTNU)という組織がある。
基本的に、各競技毎に大学競技団体や大学連盟(いはゆる学連)はここに加盟し、FISUとの連携を持つというのが一応建前となっているのだろうが、実情はそうではない。
4.JOC(日本オリンピック委員会)と体協(日本体育協会)とJOA(日本オリエンテーリング協会)
上述のNTNUという組織は、JOCの下部組織あるいは組織の一部という構成となっている。 JOCは日本体育協会に加盟する各競技団体によって構成されており、また国や文科省からもたらされる多くのスポーツ振興基金や補助金の類も体協から各競技団体に配分される。
(社)日本オリエンテーリング協会はオリエンテーリング競技を代表する体協加盟の一競技団体である。 その各競技団体の下には、各競技ごとに各都道府県協会や高校連盟や大学連盟、社会人連盟、プロスポーツ協会…などがぶら下がる形になる。末端組織がすべて、何らかの法人格を持っているということはない思われるし、日本学生オリエンテーリング連盟が任意団体だとしてもそれは別段特殊なことではないだろう。
ただ、日本学生オリエンテーリング連盟は、組織の構成上現在JOAの正式な会員とはまだなっていない。法人格もなく任意団体である。だから(組織的に確固たる地位をもたない)といって、日本学連はこの日本アマチュアスポーツ界の構成や枠組みの外におかれているわけではない。立派に社会(日本アマチュアスポーツ界)の一組織であり、当然社会的な権利も責任もあるということには留意してもらう必要がある。
なぜ、NTNUがJOCと体協傘下(あるいは同一組織)なのかといえば、歴史的にも日本では(日本が特殊というわけではないが)、水泳、柔道、体操など国を代表するオリンピック代表選手を支えてきているのは多くの場合大学クラブ組織であり、その競技の主体となってきたは学連であるのが一般的だった。まさに柔道などは、全柔連と学柔連のように一競技に2つの強力な競技団体が存在する(存在した)ような場合もある。
競技団体によっては事実上、体協加盟団体=メインの大学連盟となっている競技も多いと推測される。
5.どうやってユニバーに出るか?
以上述べてきたように、ユニバーは体協からJOC(NTNU)を経由して、FISUにエントリーされる。
各大学生競技団体が選出や認定した選手やチームについて、体協加盟団体が一定の手続きを踏んでJOCに届けて、最後にJOCの会長(現在は竹田恆和、日本馬術連盟副会長)の割印きちんと押され、日本代表選手として正式にエントリーされる。
エントリーのトラブルは、実はJOA,JOC,FISUまでも巻き込んで国際問題にもなってしまう。実際過去にはエントリーミスから当時のJOC古橋広之進会長にJOAと学連はトラブルの経緯を直々に謝罪したこともある。
ゆえに、ここ10年近くは羽鳥がJOAや相手先国、主催者との交渉など、ミスや行き違いがないように慎重に行ってきている。
6.日本学連との関わり
ここまで読めば明らかだと思うが、日本学生オリエンテーリング連盟が選考および認定するFISUの資格に当てはまる選手が、日本のオリエンテーリング大学生代表である。学連は、ユニバーに日本代表選手団を派遣する組織上の責任を唯一有している。他の団体や、上部組織が、大学生代表を主体的におせっかいにも?(依頼されれば別だが)選考したり、派遣してくれることなど、権利も責任も有していないのであり得ない。
過去日本学連は、FISUの定める世界大学生選手権大会資格に有する最も相応しい選手を主体的に公正に選考し、彼らを学連の代表として、そして日本の代表(大学生代表)として派遣してきた。
日本学連は、日本アマチュアスポーツ組織の良識ある一社会的組織として、オリエンテーリング大学生代表を世界に派遣すべき責任をきちんと果たしてきているし、またそうしたいという動機も当然であったといえる。
以上