東山界隈の名所案内

銀閣
(慈照寺)
五山の送り火で知られる大文字山の西の麓に位置する。銀閣寺という名称の方が有名だが正しくは慈照寺という。この名は造営者の足利義政の法号にちなむ。1994年世界遺産に登録された。当初は東山殿と称した。義政はここを芸術家たちのサロンとし、能、茶道、華道、絵画など東山文化の発展に力を注いだ。現存する「銀閣」「東求堂」は共に国宝で、東山文化を代表するものとして名高い。東求堂の北東の部屋は同仁斎と呼ばれる四畳半茶室で、書院造の原形といわれ、後世の日本建築に与えた影響は大きい。庭園は特別名勝。義政自身が苔寺(西芳寺)を手本にして設計したと伝えられる。白砂を盛り上げた向月台や銀砂灘は江戸時代のころから。庭園の最上からは、銀閣寺の全景、真如堂、吉田山界隈を見渡す事が出来る。
銀閣
法然院法然上人を偲ぶ寺。通常は非公開だが、春と秋に特別公開される。3月下旬には、参道の椿、院内の五色の散り椿が見ごろになる。茅葺の山門前に清めの白砂壇(盛砂)がしつらえてある。方丈庭園には善気水がこんこんと湧き出ている。茶水に適し、洛中名水に数えられる。また墓地には谷崎潤一郎、川上肇など著名人の墓が多い。
法然院
霊鑑寺門跡尼寺。1654年後水尾天皇が皇女を開基として創建。谷の御所、鹿ケ谷比丘尼御所とも呼ばれる。御所人形200点など皇室ゆかりの寺宝がある。庭園には、後水尾天皇遺愛の散り椿をはじめ、月光椿、日光椿など銘木が多い。春には特別公開される。
霊鑑寺
熊野若王子神社哲学の道の南端にあり、1160年後白河法皇が紀州熊野権現を勧請して創祀した若王寺の鎮守社で、京都三熊野のひとつ。
熊野若王子神社
哲学の道東山の麓、若王子神社から銀閣寺に至る疏水べりの小道。哲学者西田幾多郎が散策しながら思索をした道として、この名がついた。両側には日本画家の巨匠・橋本関雪が寄進した関雪桜の並木が続く。春になれば見事な花のトンネルになる。「日本の道百選」にも選ばれている。京都の川は盆地の傾斜から、北から南に流れているが、この疏水分流は人工的に作られており、南から北に向かって流れている。初夏には蛍が乱舞する。
哲学の道
永観堂浄土宗西山禅林寺派の総本山。853年空海の弟子真紹が藤原関雄の山荘を譲り受け、真言宗の道場としたのが始まり。1077年第七世永観が入寺し浄土念仏道場とした。顔を斜め後ろに向けた阿弥陀如来像は「見返り阿弥陀」として知られる。折れ曲がった廊下を頑張って多宝塔まで上ると、木々の間から京都市街が一望できる。平安時代から紅葉の名所として名高い。
永観堂
南禅寺臨済宗南禅寺派の総本山。1291年創建。室町時代は隆盛を極め「五山の上」に列せられたが、応仁の乱で焼失。黒衣の宰相といわれた以心崇伝が復興した。大方丈は御所の清涼殿を、小方丈は伏見城の殿舎を移築したもので国宝に指定されている。大方丈の前庭は江戸時代初期の代表的な枯山水庭園で、小堀遠州作。石川五右衛門の伝説で有名な三門(重文)から眺める市街はまさに「絶景かな、絶景かな」。一見の価値あり。山内には琵琶湖疏水の水路閣もある。参道には名物の豆腐料理の店が軒を連ね、「湯豆腐」と書かれた看板がみられる。
南禅寺
金地院南禅寺の三門の南西にある。足利義持(1394〜1428)が洛北の鷹ケ峰に創建。1505年以心崇伝によって現在地に移された。方丈は重文で、狩野派による襖絵は有名。全国に小堀遠州作といわれる庭園は多いが、実際に遠州が造った記録のある庭は指折り数えるほどしかない。方丈前庭の「鶴亀の庭」は、崇伝の「本光国師日記」に詳細に記録されており、特別名勝に指定されている。また、徳川家康を祀る東照宮がある。日光の東照宮より創建が古いと伝えられている。
金地院
無燐庵明治の元勲・山県有朋の別荘で1896年に完成。東山を借景とした明治の代表的庭園で名勝に指定されている。造園は遠州流を極めた七代目小川治兵衛で、疏水の水を巧みに取り入れた、なだらかでやさしい平庭である。紅葉のころは特に美しく、京の隠れた名所のひとつ。ここの洋館は日露戦争開戦前に開かれた無鄰菴会議で知られている。
無燐庵
日向大神宮奈良時代、宮崎(日向)高千穂の神を移したのが起こりといわれている。天智天皇が神田を寄進、神域の山を日ノ山と名づけた。建武の乱、応仁の乱で焼失したが、慶長年間(1596〜1615)再建された。開運、縁結びの神。紅葉の名所。
日向大神宮
平安神宮平安遷都1100年祭(1895年)の記念として造られた。桓武、孝明両天皇を祀る。社殿は昔の平安京大内裏の政庁であった朝堂院を8分の5に縮小して建てられたもので、往時の宮殿の華やかさを彷彿させる。神苑(名勝)は約3万平方メートルの池泉回遊式庭園で春の枝垂れ桜、初夏の花菖蒲、夏の睡蓮、秋の萩など四季の花々が楽しめる。疏水の水をひき入れた神苑の池には、琵琶湖で絶滅の恐れのあるイチモンジタナゴが陸封されて生息するなど、貴重な自然が守られている。
平安神宮
インクラインと琵琶湖疏水記念館1890年東山にトンネルを掘り琵琶湖から水をひいた疏水が完成した。この舟運ルートの途中、水路落差のあるところに敷設された傾斜鉄道がインクライン。蹴上インクラインは延長581.8メートルで世界最長。線路と台車が形態保存されている。桜の名所。琵琶湖疏水記念館は、難工事であった疏水開削工事の全容とインクライン、日本最初の水力発電所の模型などがわかりやすく展示されている。
インクライン琵琶湖疏水記念館
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ページ作成:第28回全日本オリエンテーリング大会HP担当(joc2001@ns.orienteering.com)
最終更新:2002年3月13日(水)