第24回笠岡市オリエンテーリング大会 |
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コース解説 MA(男子Aクラス) |
(→1) 漁村ならではの入り組んだ集落の中を駆け抜ける いきなり白石島ちっくな場所を通ってもらった。 一気にキャンプ場まで抜けてもらって、砂浜エリアは後半にした。 これにより、距離を稼ぐコースが設定できた。
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(→2) 一旦海を見て祠コントロールへ ここでも白石島らしさ全開。ポイントは海と祠(お遍路さん)。 通常のオリエンテーリング大会ではもう少し難しい地形上のコントロールに設置するが、白石島の特徴をまず見ていただく意味で祠(お遍路さん)へコントロールを設置した。 ここの祠は(お遍路さん)巨大な岩崖の下にひっそりと佇んでいる。 |
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(→3) 尾根上の岩崖へ このルートは尾根たどり。2番で一気に高度を稼いで、開けた場所からは瀬戸内海がチラチラを見えるようになる。 3番は尾根上の崖で、白石島の特徴的なコントロール位置となる。 この崖の位置は実は絶妙である。というのも、上級者は尾根に沿ってまっすぐ南に登るルートを取れば早くたどり着くことができるし、中級者でも道沿いにコントロール南側まで進んで、通行可能度の良い森に少し入ればコントロールが見える。 家族組でも子供を小径に残して、お父さんだけがコントロールに行けばよい。 いずれにせよ、地図をきちんと見なくては見つからないが、地図をきちんと見ていれば上級者から中級者まで対応できるコントロール位置となっている。 今回、笠岡市民OL大会のコースプランにあたって、この尾根がAコースで使えるのかどうかが一番のポイントであった。このため、4月上旬に行われた笠岡市OL大会の範囲の集中地図調査においても、この尾根をしっかり見ておきたかった。 この尾根がコースに使えるため、コースを海上アルプスに引き回すことが無理なくできるようになったと言える。 |
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(→4) 島西側の海が見えるお遍路さん いよいよ海上アルプスと言われる山塊にとりつく。 このコントロールは(4)→(5)のロングレッグへの布石、いわば誘導コントロールである。当初(3)→(5)のレッグを考えていたが、実はこの設定だと山塊をコンタリングするより、一旦砂浜に下りて集落の中を走り、開龍寺に向かうルートのほうが速くなってしまう。 (4)→(5)のコンタリング道を使ったレッグは意外とアップダウンが厳しく、速く走ることができないからである。そこで(4)を置くことにした。 誘導コントロールなので難易度は低くても良いが、多少のヒネリを入れて海上アルプスの山塊の西側に一旦誘導してある。コントロールは白石島定番の祠(お遍路さん)。 (4)脱出直後に小径の立体交差なる珍しい場所もあり、ここを見てもらうことも、このコースのみどころのひとつに考えた。 |
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(→5) 遊歩道から開龍寺へ 高山展望台の北から東へロングレッグ。このコースで最もマップコンタクトが必要なレッグである。斜面を巻く遊歩道は整備されており、快適に走ることができる。細かなアップダウンが競技者の体力を試す。遊歩道は変化に富み、何度かマップコンタクトが必要である。 開龍寺へのイッキ下りは岩盤が多く露出して、白石島ならでは。降りた先には白石島で最も有名な観光ポイントである大師堂が見える。 簡単そうに見えるコントロール位置も大きな道をただ辿ったのでは現われてこない。きちんと地図を読めば目立つ位置にコントロールが現われる。 開龍寺にある大師堂。 岩にめり込むように建っている。 MAコースではこの大師堂の横を通るルートがベスト。 |
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(→6) 鎧岩までイッキ登り アップ100mイッキ登り。この区間にオリエンテーリング要素は殆どない。 鎧岩をランナーに見せたい。それだけだ。 今回の笠岡市OL大会には全国から多くの人が参加してくれる。全日本リレーのプレイベントとしての意味つけだけでなく、この笠岡市OL大会自身だけでも充分な満足感を持ってレースを終えて欲しい。そのためには軟弱なコースでは、トレーニングを積んでいるアスリートには申し訳ない。またひとつだけでも強烈な印象を持つコントロールが欲しい。それがこの鎧岩なのだ。 また、コース距離レイアウト上、どうしても海上アルプスの尾根線までMAのランナーを誘導する必要があった。そこで当初は鎧岩西側の走行可能の沢を登らせようとしていた。しかしこれでは面白くない。単に通行可能度が良いだけで、特にオリエンテーリングとしての要素は乏しいし、眺めも期待できない。それなら鎧岩まで一気に登らせて壮大な眺めを楽しんでいただこう。 ただし、鎧岩をコースに組み入れるには多少の危険が伴う。そのため、以下の2点だけは注意した。 ・鎧岩へのアプローチは登りレッグだけ。あまりに急峻なため、鎧岩からの下りレッグは危険。 ・雨が降っていないこと。周囲は岩場であるし、道が階段で滑り易い。 今回は大会の2日前にコース決定した。天気予報により2日前から大会当日は雨が降らないことが確定していた。 レースラップを見ると予想は外れた。ここで大きくミスをするとは思っていなかった。参加者の何人かはコントロールの鎧岩を通り過ぎ、尾根線まで行ってしまった。ここでかなり迷ったようだ。フラッグは天然記念物の鎧岩と見てもらいたくて鎧岩の下に設置した。しかしこの位置は遊歩道からは見えない。「鎧岩」とかかれた看板に沿って数歩遊歩道から外れなくてはならない。 地図やディスクリプションからこの情報を見つけるのは困難である。フラッグは遊歩道沿いの目立つ位置に設置するべきだったと反省した。 MAで1位になった諏訪はここでトップラップを取っている。4分32秒で鎧岩までイッキに駆け上っている。 |
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(→7)海上アルプスの手前の沢 このテレインにしては珍しく走行可能の沢があるので、ここを利用した。今回のコースでは珍しくA難易度のコントロールである。海上アルプス近辺はどうしても遊歩道の道走りが主体となるのだが、少しでもナビゲーションの要素を入れてみた。 |
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(→8) 最高標高のコントロール このレースで最もルートチョイスが問われるレッグである。 まずは(7)からの脱出方法。 ・北上して尾根を横切って小径を捉えるルート ・沢を北東に下りて小径を捉えるルート 人によるが、これは沢を北東に下りるルートのほうが速いと思う。急斜面を登り下りしないからだ。 次に(8)手前のピークを東側に巻くか、西側に巻くか。 これも人によるが、西側に巻いたほうが速いと思う。ルートが単純で細かいアップダウンがないからだ。西側に巻いた人は島西部の雄大な海の景色を見ることができたはずだ。 |
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(→9) 開龍寺北の岩尾根を走る 今回のコースでは最も難易度の高いレッグ。ラップを見ると、このレッグひとつで沈んでしまった参加者も多い。 レッグの最初は等高線に沿った遊歩道ルートであり、快適に走れる。途中からは開龍寺北の尾根を通る。この開龍寺北尾根が非常に特徴的な砂岩で出来た尾根である。 尾根全体が岩と砂からできており、低木しか生えていない。そのため、ここからは白石島港方面をはじめ本州に向かっての景色がよく見えるビューポイントである。砂岩の白さと松の青さ、そして島かげと海の対比が美しい。コースプランナーの木村が白石島で最も景色が美しいと思う場所だ。 しかしながらこの複雑な砂岩地帯は地図では表現しきれない。このためこの地帯の表記は随分と簡略化されている。このためマップコンタクトが難しい。比較的平坦な下り基調の尾根だが、走りより地図読み速度が問われる場所である。 9番コントロールはそうした特殊な尾根から少しヤブがちな沢に一気に落ちたところにある。尾根からは岩とヤブに阻まれて沢の気配すら感じることができない。歩測を含めた慎重なナビゲーションがここでは求められる。 目的の沢に入ればコントロール位置は難しくない。 |
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(→10) 海水浴場の突堤 ここまで海上アルプスを中心に低速での課題が続いたが、ここからフィニッシュまではレース速度が上がる。集落に出て海水浴場に出れば、あとはひたすら道を走るだけ。 木村はここで参加者の写真を撮影した。 参加者は途中から砂浜に入って突堤を目指すだろうと、コース設定時は思っていた。しかし大会当日にコントロールの手前でビーチパーティの会場が設営されてしまった。これに視界が遮られ、参加者からは砂浜を直進して突堤にたどり着けるように見えなくなった。参加者の多くは最後まで道を走り、突堤を往復する者が多かった。 突堤の入り口には少し高いガードレールがあった。 これを皆苦労しながら跨いでいたが、MAで3位になった奥村はこれをジャンプで越えてきた。これには驚いた。 コントロールはこの砂浜の先の突堤 |
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(→11) 白石港西の丘 MAである程度のコース距離を確保するために、この丘を使用することは必須である。港にも近く、白石島の特徴でもある巨石が存在することから、全日本リレーのモデルイベントでは一番利用されるだろう丘である。 (→12) 集落の中にある井戸 10番からトップスピードにギアの入った参加者を悩ますのがこの12番である。特に(11)から(12)に向かっては下りとなるためスピードが出る。しかし(12)は曲者で漁村の集落の中にあり、視界の利かない複雑な小道を曲がってコントロールまでたどり着かなくてはならない。コースも最終盤であせる気持ちをどれだけ抑えて最後までナビゲーションできるかを試すようなセッティングになっている。コントロール自体は難しくないため、大きなミスもしないが、ちょっとした地図読みの差がそのままタイムに直結するコントロールとなっている。ラップを見ると、ここで大きくタイムロスしている参加者もいる。 またこのコントロールは位置自体はやさしいため、他のクラスでも使用できる。 (→13/Finish) やはり漁村集落の地図読みを要求する。(13)は小道の手前に設置してある。ここでパンチ動作を行うことで参加者の動きを一旦止め、車やバイクに対して安全に道路を横断できるように配慮している。 島の中は車とバイクが少ないが、事故が起こらないようなコース配慮を行うことは必要である。 |