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MTBO専用マップとは?

 フットオリエンテーリングで使われる地形、特徴物や藪などが詳細に記述された地図に、「道」の情報を拡充したものです。ある意味、最強のトレイルマップとも言えるでしょう。
 ただ、MTBOのマップなんてまだ見たことない、という人も多いはずです。そこでこのページを使って、MTBOのマップがどのようなものなのか、現地の画像も交えて詳しく解説しようと思います。

凡例

regend_j.jpg (250×156) 左の図は、MTBOマップにおける道の凡例です。特徴は、道の太さを2段階に、道の通行可能度を3段階に表記して、合わせて6段階に道の等級を書き分けていることです。これによって、地形やプランの単純さ、距離などのほかに走りやすさがナビゲーションの要素に加わることになります。

道の太さ

 道の太さは、2段階です。ルールでは凡例における「道」に分類されるのは、幅1.5m以上の道となっています。ただ、今回のマップは正確な幅よりも「2台の自転車が並んで問題なく(特にスピードを落とすこともなく)走れるかどうか」を「道」と「小道」を書き分けるにあたっては重視しました。MTBに乗っている人にはダブルトラックは「道」、シングルトラックは「小道」と考えると、わかり易いかもしれませんね。

道の走りやすさ

 「良好」の道はフラットで、わだちや石などが浮いていない道を表します。これは必ずしも舗装道路を意味するわけではなく、フラットなダートは「良好」に分類されていることもあります。

 「やや悪い」の道は、わだちがあったり石が浮いていたり、重い路面、草などによって、走行速度が低下する道を表します。ゆっくり走れば、ほとんどの人は乗車したまま通過することができるでしょう。多くのダートの林道、状態のよい山道などがこの等級に分類されています。青山高原のマップ内に最も多く存在し、この等級の道をいかに早く走ることができるかは、タイムに直結するでしょう。

 「悪い」の道は、わだちや亀裂が深かったり、大きな石や倒木、ぬかるみや砂などによって走行速度が大きく低下する道を表します。パワーやテクニックの不足している人は、降りて押すこととなるでしょう。特に登りでこの等級の道を乗車して通過することはかなり難しく、「道への進入方向」が重要になることもあります。
本マップ内では枝道に多く見られます。距離は短いものの何度もこのような道を通過しなくてはならない場面が登場し、バイクテクニックを問われることになるでしょう。

 次に、実際の画像を元に、どの道がどのような等級に分類されているか見てみましょう。

good_track.JPG (225×300) 左の画像はコンクリート舗装がされた林道です。このような林道はたくさんあり、たいていが「良好」な「道」に分類されます。ただし、右の画像のように道に土や落ち葉が堆積してわだちができ、コンクリート面が覆い隠されつつある道もあり、そのような場合は「やや悪い」「道」となります。middle_track2.JPG (225×300)
middle_track.JPG (226×301) 一般的なダートの林道です、わだちがはっきりしており浮石も散在しています。そのため「やや悪い」「道」となります。
middle_path.JPG (225×300) 木漏れ日のさす、快適な「やや悪い」「小道」です。マウンテンバイクで走っていて、最も楽しいタイプの道ですね。このクラスの道までは、傾斜さえゆるければ初心者でも問題なく乗車したまま通過することができるでしょう。右の画像も同様の「やや悪い」「小道」です。 middle_path2.JPG (225×300)
bad_path.JPG (225×300) この道は道幅は1台ギリギリで、下草によって路面状況が見難く、またぬかるみなどもあってかなり悪い状態です。このような道も、テクニックのある人間には下りはテクニカルで楽しい道となりますが、登りや平坦の場合はかなりゆっくり通過するか、降りて押すことになります。したがって、「悪い」「小道」。右の画像も「悪い」「小道」に分類される道ですが、こちらは浮石が多いガレた道で、かなりテクニカルになっています。このクラスになるとMTBに慣れた人以外は、乗車して通過することが難しくなります。 bad_path2.JPG (225×300)

 だいたいイメージがつかめましたか?
 注意して欲しいのは、道の等級に「傾斜」の要素は考慮されていないということです。青山高原のマップ内の道は、中級程度のテクニックがあれば、ほとんどすべての道は乗って降りることができます。しかし、同じ道でも、登りはとても乗れない、ということはたくさんあります。できるだけ走りやすい道を選んで登り、悪い道はできるだけ下り方向に使う、というのが有効なテクニックです。地形の高低を、ナビゲーションの際にしっかり意識しましょう。

障害物と通行禁止

touboku.jpg (120×141) 左の図にある、道を横切る短い赤いラインは、障害物を表しています。障害物のほとんどは倒木です。地図に記載している基準は、MTBを降りてまたぎこさなくてはならないものや、いったん道を外れてやり過ごさなくてはならないレベル以上、と考えてください。倒木でも、地面に横たわっていて軽いフロントリフトとリアの抜重で超えられる程度(フロントギアがぶつからない)のものは、障害物としてとっていません。このような倒木は多数あり、テクニックの差が出ることになります。
 また、「悪い」道に関してはある程度は倒木の存在も基準に織り込み済み、ということで地図には記載していません。もちろん、倒木は増えたり、減ったりしますので地図にあるものがなかったり、地図にないものが増えていることもあると思ってください。

kinsi.jpg (142×122) 今度は赤いラインではなく、×印が道を覆っています。
 このような記号が使われてるのは、2つの場合があります。ひとつは、主要な車の通行が多い道を競技上どうしても必要な箇所を除いて通行禁止にしている場合です。
 もうひとつは、道を覆う藪や倒木が度を越していて、その道に踏み込んでしまうと決定的なタイムロスを生むと考えられる場所です。いずれにしても、×印の道には入らないようにしましょう。

「担ぎ」ルールの採用

 MTBOの公式な国際ルールでは、地図上で道として表記されている場所以外は通行してはいけないことになっています。しかし、このマップ内には「微妙につながっていない道」というのが多数存在するのです。
 そこで今大会の特別ルール「自転車から降りて、押し、担ぎすれば道以外も通行OK」が登場します。これをどうしても使わなくてはならない場面も出てきますし、戦略上積極的に使うこともかまいません。
 道を外れる時は、等高線とヤブの情報をしっかり読みましょう。エライ目にあうかもしれません。


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