静岡県選手団、松林の尾根沢を俊敏に走行 (松澤俊行)
コロナ禍と遠隔地での開催が重なり、ややスリムなチームでの闘いとなった2020年の全日本リレー。静岡県選手団はWSとMVでクラス内優勝、他クラスへ出場したチームも健闘を見せ、総合成績で5位と十分な成果を挙げた。「新婚の田濃団長を総合表彰の場に」という団内目標は堂々達成され、一同和やかに鹿児島を去ることができた。
当日までの準備状況を監督として観察したところでは、WSとMVはメンバーたちが頻繁な情報交換を重ね、レース当日のイメージを日に日に鮮明にしていたことが伝わって来て、頼もしく感じられた。「最もうまくいった場合」という一つのパターンに固執することなく、様々なケースを想定して、そのケースごとの各ランナーに求められる心構えや役割を意識できていたと思う。
MEがクラス不成立となるという残念な事態もあった。チームごとのコースの割り当てに問題があり、競技性・公平性を考慮すると不成立の結論もやむなしではあった。参考タイム・参考順位の扱いになったとはいえ、かなりチーム状態の反映度が高いタイム・順位だったことは間違いない。三選手が好パフォーマンスを発揮し、強者・巧者の継走をした神奈川県に完敗であったことは認め、かつ「MEの静岡」の矜持は忘れずに出直しを図る必要がある。
幸い、MEメンバーたち、そしてこれからMEメンバーを目指す県内選手たちは監督が何も言わなくてもそうする選手たちである。次回も当然のように優勝争いに加わるだろう。その見通しを一層確実なものとするために、次回大会前には今回のWS、MVを参考にMEメンバー間情報交換をし、チーム状態を高めていきたい。もちろん、第一チームだけでなく、第二、第三チームも巻き込んで情報を共有していきたい。
二クラスでの優勝だけではなく、他にも筑波大学の名雪選手、京都大学の篠原選手という若手新メンバーが加わった、山本玄峰選手が久々に復帰した、などの明るいニュースがあった。監督が心中でライバルと見ている千葉県が初の総合優勝を達成したことも刺激となった。2021年の全日本リレーに向けた準備もワクワク、ドキドキ、そしてヒリヒリするものとなりそうだ。