2003年3月9日に、日本学生オリエンテーリング連盟(以下、日本学連)
正加盟校「図書館情報大学オリエンテーリングクラブ」が
オリエンテーリングテレイン(以下テレイン)「日光所野ver.2.00」内で地元住民とトラブルを起こした。
ただしこのトラブルには、それまでの日本学連によるテレイン運用の甘さも影響していた事を
付け加えておかねばならない。
学生の不適切なテレイン使用により、地元住民、特に森林管理組合の不満は絶頂に達していたという。
このトラブルをきっかけとして日本学連幹事会および理事会は
「地元との関係が改善されるまで、オリエンテーリング目的での日光地区テレイン使用を控えよう」
という考えのもと、日光地区のテレインを当面クローズするという判断をした。
2003年4月より始まったクローズ期間における
日本学連テレインコントロールワーキングループ(以下TCWG)の地道な渉外活動により
地元と日本学連との関係は改善された。
だがしかし、クローズ解除に向けて、日本学連は慎重にならざるをえなかった。
ここ数年、オリエンテーリング関連でのマナー違反が話題になっているからである。
日光地区の良質なテレインは日本学連を超え、日本のオリエンテーリング界の宝である。
日光地区でトラブルを積み重ね、日光地区テレインを永遠に使えなくしてしまう事は
できる限り避けるべき事である。
2004年度日本学生オリエンテーリング選手権大会ミドルディスタンス・リレー競技部門は
日光地区「日光霧降」で開催される。選手権大会の開催を控え
また学生のトレーニングの場としての日光地区開放の要望が日本学連加盟校内に高まったことを受け
日本学連は、2004年6月5日に行われた2004年第1回日本学連幹事会において
2004年7月1日をもって、オリエンテーリング目的での日光地区テレイン使用を許可する決定をした。
しかし、テレインの使用において学生が再度のトラブルを発生した場合、日本学連は
オリエンテーリング目的での日光地区の使用を、永遠に禁止しなければならない。
そのため、日本学連幹事会は2004年4月〜7月にかけて
日光地区テレインを適正に使用するためのガイドラインおよび
テレイン使用届出・報告の体系を整える事に尽力してきた。
日光地区テレイン使用のガイドラインは、6月中に発行予定である。
加えて、こういった問題は日光に限らず
日本学連、さらには日本中のオリエンテーリングテレインに潜在していると言っても過言ではない。
日本学連では、日本学連が版権を主張するテレインに関し
その適正な使用を促すために、いくつかの体系を整える予定である。
日光地区テレインはそのケーススタディであり、日光地区テレインにおいて当活動が成功した後には
その成果を、日光地区以外のテレインにも適用する予定である。