4月に開催されたワールドカップの出場選手として選考されたものは、無条件で選手として選考した。この選考によって選ばれたのは、男子は高橋、柿並、女子は小林である。
次に、4月30日に行われた選考会によって上位3名を選考した。この選考で選ばれたのは男子は山口、金沢、鈴木、女子は伊藤、塩田、赤石であった。なお女子は選考会での順位は上松が2位であったが、辞退であった。
さらに1ないし2名をコーチが選考することになっていたが、男子は紺野を、女子は深沢を選考した。
今回は特に全体で行うことはせずに、各自がそれぞれに行った。
事前の情報収集とエントリー・トレーニングキャンプの準備は羽鳥と加賀屋が行った。具体的な情報については、羽鳥・加賀屋より報告があるだろう。 羽烏から村越への必要書類の引き継ぎを8月12日におこなった。3ケ月前に発行されるはずのブリテン3が8月になっても発行されず、宿舎費の見積もり、予想されるテレインヘの対策等に支障を来した。現地のテレインの情報については、フランスチームの監督ミシェル・ジョルジョにWCで直接付近の地図を送ってもらうことで対応した。またトレーニングキャンプのための情報を何度も主催者に求めたが、8月に入るまで得られなかった。
必要な薬品を日本体育協会のスポーツ診療所に依頼した。
日本体育協会付属スポーツ診療所 本並先生 03-3481-2485
連絡事項 オリエンテーリング、渡航先、人数(男女)、渡航期問・日数必要な薬品名
受け取り 直接取りにいくか着払い
支払い 銀行振り込みにて
依頼した薬品は以下の通り。
ブルフェン(鎮痛剤)100、ニポラジン 60、アストミン 60、コランチル 30、ロペミン 30、プスコパン 20、テフラール 20、レスタミン軟膏
価格は8000円程度であった。このうち、下痢止めと鎮痛剤を利用した。また湿布を7枚入り100円で高木貴美江より60袋購入。これはほぼ使い切った。そのほかに、アイスラブゲル、絆創膏、アイスパック、テープ(10本)を用意。テープは現地で購入できなかったので、数名の選手が利用した。ヨーロッパでは大きな都市でもテーピングテープは購入できないことがある。実際に購入できたという実績がない限り、日本から用意していくべきである。
オフィシャル側では準備しなかったが、選手が持ってきたレジャーシートやグランドマットは役に立った。グランドマットは3ないし4枚は必要である。これらは本来オフイシャルが必要物品として持っていくべきものであった(もちろん、輸送は選手が分担すればよい)。また今回はテントを持っていかなかった。幸いにして、雨が降らなかったので問題は発生しなかったが、最低でも3-4人用のドームテントか・タープ十ロープは必需品である。
世界学生選手権は、国際学生スポーツ連盟によって開催される大会のため、選手の登録手続きがに厳格であり、また到着当日の大きな仕事となる。全員がそろわないと登録ができない可能性がある上、登録が完了しないと宿舎の手続きもしてもらえないため、チームが全体で宿舎入りをしない場合には集合など留意が泌要である。今回も全員集合から手続き修了までに待ち時問を含めて1時間以上を要している。
事前の登象には所定の用紙に在籍(出身)大学、パスポート情報(本籍、パスポートナンバー)を記入する必要がある。また到着時の登録では、通常、在学証明書(英文)、パスポート、写真2枚(これはたいていの場合その場で撮影可能)である。これらの書類をとりまとめた上でFISUから派遣された役員によって確認の上、IDを発行してもらう。またこの際、登録費をドル建てで支払うことになっているが、現地通貨は通用しないので注意が必要である。今回はたまたまドルを持っていた選手がいたため、トラブルには至らなかった。
初日の食事は野菜・果物等が少なかったが、2日目以降改善され、ほとんど問題は感じられなかった。補食として、ワッフル・マドレーヌ、バナナ、ヨーグルト、ジュース、チーズ、等を購入した。レース後すぐに炭水化物を取ることの重要性を強調したので、これらはレースに入ってから、よく利用された。また水は協賛であるビッテルが選手一人につき1.5リットル2本づつ支給されたので、全く困らなかった(始末に困った)。
毎日チームリーダーミーテイング(TLM)に出席し、またその後にチームのミーテイングを持った。
今回は、ブリテン4(プログラム)の情報が十分ではなかったり変更がしばしばあったので、TMLへの参加と情報収集はオフィシャルの非常に重要な業務であった。
初日のチームミーティングは一般的な情報についての説明に時問を費やしたため1時間近くかかったが、それ以降は30分ないし40分であった。ただしTLMが毎日8:30からと遅かったため、どうしても選手の就寝時刻が遅くなってしまった。
選手の身体ケアのために・毎日食堂(ないしはバー)で氷を調達し、会場に運んだ。幸いアイシング以外には重大な利用はなかったが、最終日には塩田と赤石が打撲で利用した。また山口は毎日アイシングに利用していた。身体のケアという点では必要な配慮である。また毎日マッサージをおこなった。特にクラシカルの当日は選手全員、ショート予選当日もほぼ全員に行ったので、時間的にも体力的にも非常に大変であった。お陰でマッサージのこつをすっかり身につけてしまった。またマッサージは選手とリラックスした雰囲気の中で話をする絶好の機会なので、その点では全員にマッサージができたことはプラスでもあった。
オフィシャルが全員のマッサージを行うことは不可能だと考えていたので、5月の合宿の時に講習会を行なったが、習慣として定着するには至らなかった。ふだんから行っていないとユニバーの時いきなりではやる方もやられる方も怖い。自分の身体を最高の調子に整えるために選手にも高い意識が必要である。やはりオフィシャルが一人ということで時間的にも全員のマッサージをするのは無理があったし、また選手の方も遠慮があって希望しないことがあった。技術・心理的な面では、マッサージ時にレースの内容について話をするように心がけ、必要に応じてアドバイスをした。マッサージの人数の少なかったトレーニングキャンプ中は、日替わりでいろいろな選手とトレーニングについて話をする機会を持った。また今回は主催者によって3つのテレインにコントロールが設置されており、比較的選手と一緒にトレーニングすることができたので、ランオブを心がけた。
遠征期間中、金澤と伊藤が誕生日を迎えた。トレーニングキャンプ中であった金澤には、こちらも余裕がなく何もして上げられなかったが、大会期間中であった伊藤の時には主催者に依頼したところ、食堂で喜んでバースデーケーキを用意してくれた。他の選手のいる公共の場所で一種のイベントとして楽しむことができた。些細なことだが、チームの存在感を感じさせることもできる。必ずしもあるものではないが、オフィシャルとしては活用できる機会である。
またオフィシャルの散髪も、イベントとして利用した。
トレーニングキャンプ中は3食込みであったので食事の心配をしなくていいくらいに考えていたが、これは誤算であった。食事は宿舎から3kmほど離れたレストランで提供されたため、どうしても自由度が効かず、また昼食・夕食にそれぞれ2時間!もかかるので、生活時問が非常にタイトになってしまった。おまけに長い食事時間は一部の選手にはコミュニケーションというストレスを感じさせたようだ。結局二日目からは昼ご飯をキャンセルしてサンドイッチ等を食べることで、食事時間を長くなり過ぎないようにした。
食事内容もこってりしたものが大量に出るので、食べ過ぎがちになり、胃腸の調子を整えるのが難しかった。
紺野はトップと120%、順位は40/70であった。この順位と対トップ%は90年代のユニバーでは男子最高順位である。大助も同タイムだが、SIが反応せずペナ。伊藤が84分(トップ+26分)、深沢が87分。これらは大陸的で対応しやすいテレインであったせいもあるが、まずまずのタイムだろう。順位は伊藤が46/56。小林・塩田が予想に反してミスの多い、ぱっとしないレースだった。他の選手も、十分に実力を発揮した結果とは言い難い。
この日はテレインが大陸的で簡単であったため、トップとの差も120%前後に抑えることができた。
伊藤が予選を13位で通過(13位まで通過)。参加人数が少ないとは言え、ユニバー史上初の快挙である。紺野、高橋は惜しくもAファイナルを逃す。赤石もクラシックの出来を考えると、まとめたよいレースができ、15位であった。山口も1番でおおはまりし、それ以外ではいいレースができた。2レッグでトップラップをとった点は大きく評価できる。
予選とは変わって岩や藪の多い、手強いテレインであった。
紺野がBファイナルで5位、赤石が半分より上。山口・金沢は実力発揮とは言えない結果であった。Aファイナルの伊藤は大きなミスで38位。
技術的に難度の高い山では、必要以上にタイムが落ちてしまう。現在地確認とスピードのバランスがまだ取れていないのだろう。ユニバーに来る選手は日本では「ミスをしなければ勝てる」安全志向になりがちであるが、世界で戦うには常に限界のスピードを確認しつつ走れるようになる必要がある。
1走の紺野は前半から遅れ、スペクテーターを通過した時点では6分差。後半も含めて45分のレースに対して10分差がついてしまう。高橋はさらに遅れ、それ以降最下位を走ることになる。女子は小林がやはり遅れて最下位で2位へ。伊藤が68分かかり、最下位を決定的にする。更に伊藤はペナ。クラシックの山口・金沢のペナといい、もっともおこりがちな状況で起こってしまったミスを防げなかったことは、コーチにも大いに責任がある。
男子は、トップが一人あたり45-47分のレースで、紺野55分、高橋65分、金沢65分、鈴木55分。女子は一人あたり40-43分のレースで、小林59分、伊藤68分、深沢65分、赤石7?分。深沢のパフォーマンスはある程度予測はついたが鈴木のパフォーマンスは予想以上の出来だった。全般的に、女子のタイム比が悪い。これも日本での追い込む経験量の違いによるものだろう。
ペナがなくても男女とも最下位。しかも前のチームと大きなタイム差があった。大差の原因の一っは4日間連続したレースという厳しいスケジュールのせいだろう。ふだんから追い込んだ状態で数日間の練習を経験していなければ、体力的な面からレースが崩れてしまいやすい。リレーの時の伊藤など、明かに体力的な面からくる集中力のなさを訴えていたし、逆に鈴木がよいパフォーマンスを見せたのもクラシツクに出場していないという点が大きかったのかもしれない。
コーチイベントを走った感じでは、一部のコントロールを除いてそれほど難しいコースではないが、選手は「難しい」を連発。追い込んで走る経験の欠如がそう感じさせているのかもしれない。
また磁北線と切り開きが区別しにくいという感想が目立ったが、自分で走った感じではそれほどでもなかった。これは、地図から必要なものを取り出すという読み方がまだ確立できていないからかもしれない。
直進、歩測など基本的な技術は、ほぼ全員の選手が身につけていた。しかし、それをきっちり使ってレースができるかどうかは選手によって差がある。どんなテレインでも基本的な技術である直進や歩測が必要である。また地図読みができない場合でも、直進や歩測は確実にコントロールに到達するための有力な武器になる。今回の結果は、それにどれくらい高いレベルで身につけていたかどうかが結果を左右した。この点は世界選手権などでも指摘されていることである。
このような基礎技術はユニバー選考会からの3ケ月という短い時間で身につけられるものではない。実際、今回の選手の多くもインカレその他の国内の大会への準備によってこれらの技術を身につけていた。紺野のクラシック40位(対トップ比120%)や伊藤のショートAファイナル出場は、ユニバー参加記録上最高の順位?である。この結果をもたらしたものはもちろん個人としての努力であるが、その努力はユニバーそのものというよりもインカレに向けての努力の延長線上にあったものと言える。その意味で、これらの結果はインカレを中心とする日本学生オリエンテーリング界全体の成功とも言える。
概してインカレ上位常連校の出身者は比較的基礎練習の機会が多いと思われるが、中小大学出身者はこのような機会のないままに自分流のオリエンテーリングを完成させている。このことが、結果としてより高いレベルに上がるための基礎技術の習得を難しくさせていると言える。基礎的な練習の機会を継続的に与えるようにすべきだ。
地形を大きく捉えるプランニング、コントロールまわりでリロケートする技術、あいまいさのある藪・オープン・岩石等を総合的にすばやく解釈する技術などが不足している。これらは日本ではあまり要求されない課題であるが、追い込んだオリェンテーリングに不可欠な技術である。追い込んで走るための技術を身に着けるトレーニングが国内の合宿では十分ではなかった。これが結果としてリレーでのタイム差につながっていたり、日本での成績がユニバーに反映しなかった大きな理由だと思う。
意識してリレーのトレーニングはしなかったが、リレーの練習というよりも、追い込んで走る、そこから発生するほころびを見つけ、それを改善するという点で、集団ないしはペアで一緒に走るトレーニングは有効なはずである。次回は大陸のブルガリアでのユニバーである。近年のJWOCの地図から見る限り、やはり追い込んで走るレース展開となりそうである。追い込んで走る技術のための練習を、次回合宿では強調すべきだろう。
また、追い込んで走るスピードと技術を身に着けるという目標を明確にした練習の機会を持つこと、学連が提供していくことが必要である。また、そうした練習に対して動機づけていく競い合いの環境づくりも重要な強化の仕事である。
選手が一定の技術を身に着けるようになったことをインカレの効用とするなら、インカレ後の目標設定の難しさはインカレの弊害と言える。インカレが最終目的になってしまい、インカレ後の目標が設定しにくいこと、上位選手が守って勝つスタイルからなかなか脱皮できず、追い込んだオリエンテーリングができないことはその具体的な例と言えるだろう。
ユニバーの難しさは目標設定にある。インカレという「おいしい」ご褒美になれてしまうと、結果に充実感を感じにくいユニバーを目標にし自分を動機づけていくのは難しい。加えて経験のない国際舞台では、目標としてどんな結果を望めるのかを実感することも難しい。これらの点から、多くの選手がユニバーに向けて十分な準備ができない状態となっている。この点は今回も大きな違いがなかった。同時に、伊藤は明確にAファイナル進出を目指していたと語っていることからも、「やれる」と思う(思える)目標を設定することの重要性は裏づけられている。紺野や高橋、赤石の成績からも分かるように、ユニバーもただ参加することだけでなく、Aファイナル通過を目標に選手強化をする時代に入っているのではないか。
ユニバーでは、選手の主力は大学院生や就職1,2年目である。特に就職1,2年目という不安定な時期に動機づけとトレーニング環境を保つことは難しい。これはそのような立場にある選手全員に見られ、選手のレポートにもあるようなストレスを生み出していた。今回は、選手選考会直後に、選手が上司に話を切りだしやすくするためのコーチとしての私的文書を出したりした。学連として、ユニバーや学連活動、オリエンテーリング資料一式を用意して選手に渡し、周囲の理解と協力を求めるという具体的な行動は、ささやかではあるが、選手のストレス軽減には役立つかもしれない。
多くの選手が大学クラブで、他のクラブ員とともにインカレを目指して努力した経験はある。しかし、トレーニングや身体のケアなどを4ケ月以上にわたって自分一人でコントロールする経験は皆無に近い。これが選手の準備不足につながっていたと思う。
自己コントロールの未熟さは準備段階でも、フランスでも散見された。例えばマッサージである。その重要性を指摘し、講習を行ったにも関わらず、結局フランスではコーチが一人でマッサージをしていた。物理的に可能であれば、それをするに吝かではない。しかし実際には、時間が足りなくなってマッサージをしないままに翌日を迎えた選手も多い。終わってから気付くのではなく、事前に必要性を感じられるようなイマジネーションを持った選手を育成する必要がある。
選手の自己主張能カの向上も大きな課題である。わがままでなく、自分の実力を発揮するためにしてほしいことを主張し、やりたいことをする。また実力を発揮するために何をすべきかを考えるという点は、選手は十分な経験を積んでいないようだった。ユニバー選手になって3ケ月でそれができるようになるはずがない。それまでの強化のプロセスが必要なのである。
対人関係という点でも、選手の自立は必要だと感じた。大学クラブでは長い時間をチームメイトとすごす。しかしユニバーではたった3ケ月、しかも合宿数度しか合わないような選手たちと10日間まさに寝食を共にしなければならない。仲良くなることも大事だが、互いに自分のぺ一スを守り、侵さず、どうしても合わない人は避けるくらいの関係づくりが必要である。この点でも選手の経験と能力には課題が感じられた。メンタルマネージメントのチームビルディングの技法などが有効かもしれない。
学生と卒業1年半以内の学生を対象とするユニバーでは選手の継続性を期待することは難しい。また今回は前回出場の選手が3人加わっていたが、その経験を十分に生かしているとは言えなかった。組織として過去のユニバーの経験を蓄積し、それを利用して選手強化や学達の強化につなげていく必要性が痛感される。コーチングの必要性もこの点にあるはずである。この点からすれば前回と前前々回の報告書が発行されていないことは大きな問題である。
今回は、時間的にも余裕がなく十分なコーチングができたとはいいがたい。しかし時問的に余裕があっても、ユニバー選手として選ばれた3ケ月では思い切った技術の切り替えもできない。せいぜいその時できていることを磨くくらいである。やはり前シーズンからユニバーを見据えた対応が必要である。
今回は、8年ぷりにコーチー人というチームであった。最砥限のことはできたし、大会期問中に選手に不安感を与えることはなかったはずだが、やれることには限界があった。マツサージ一つにしても毎日全ての選手にやることは不可能であった。またレースの語を十分聞いてやることもできなかった。また選手によっては合う・合わないもあったと思う。コーチが複数いればこの点は大きく変わっていただろう。
現在の学連は強化という概念はない。ここ数年学連合宿が行われているが、これは内容的にも姿勢的にもユニバーの強化につながっているとは言えない。現在のようにユニバーにエネルギーを費やすなら、選考以前の強化にももっと真剣になるべきである。
本当にトップレベルであれば、選考会にはきちんと照準を合わせ、またそれに応じた結果を出してくる。そのようなレベルの選手にあっては選考会が複数開かれることはあまり望ましくないだろう。しかし、ユニバー選手はまだそのレベルには達していない。より多くの緊張して走るレースの機会を与えることが必要である。その点から考えると、インカレやWCの選考会での上位を選考することは、選手の機会を奪うことにもなりかねない。そもそもインカレでは選手はインカレそのもので結果を出そうとしている訳で、結果の背景にあるものは必ずしもユニバーにつながるものではない。たとえ社会人1年目だとしても4月末のレースで結果を残せなかったら、どうしてユニバーで結果が出せるだろう。ユニバー出場をご褒美でなく、目標への1ステップと考えるなら、選考方法を考えなおすべきである。
今回は、日程も短く食費もそれほどかからなかったため、選手の負担金は3万円ほどで済んだ。コーチヘの出費を除けば、学連が一人5万円以上出している計算になる。額を問題にする訳ではないが、果たしてユニバーチームにそれだけの価値があるかどうかは疑問である。普段の日常でできるだけのことをやり、その結果を日本のオリエンテーリング界に何らかの形で還元しないとすれば、学連が100万円にも上る予算を計上する価値も意義もない。本人にとってもその方が気楽なはずである。何のために100万円を出すのか、その目的を達成するためにどう使うべきなのかをそろそろ議論しなおす時期である。
たとえば、JWOCは、学連が直接支援する行事ではない。しかし、過去JWOC出場選手は学連行事のトップを支えてきたことも事実である。ユニバーにまわす予算の一部をJWOC出場が決まった選手に学連が報奨金的に出すことは、それがたとえ個人ぺ一スのものであっても、学連に直接還元される投資であり、検討の価値のある使途だとおもえる。