第14回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

姫野 祐子
2003年度 東北大学卒

報告書


内容

  1. ユニバーまでの準備
  2. レースの結果に対する評価
  3. 反省(今後へのアドバイス)
  4. チームに対する要望
  5. 最後に

準備について

今年はユニバーが6月下旬と例年より早い時期にあった。 選考が終わってからの期間が短くあっという間にすぎた。 時間がないということで自分の今持っている技術を忘れず伸ばしていくことを重点に置いた。 トレーニングはそれまで不規則に行っていたのものを毎日行った。 平日は朝に軽くジョグ、夜は遅くなっても必ず5キロ走った。 基本的に夜は90分走り起伏の激しいコースを主に選んで走った。

5月初めの強化合宿の時点でオリエンテーリングの方法が全く分からなくなり自信を失った時期があった。 ポスト周りの地形のイメージなど先読みができないまま進み周りを見ずに暴走し、 また不安になって立ち止まるという何ともいい加減なオリエンテーリングをしていた。 脱出時の方向維持やフェイスアップを心がけるで少し自分のスタイルに戻すことができた。

今回初めてスプリント競技に挑戦することになった。 この競技にまだなじみが無かったので不安を感じた。 そのため先輩方にスプリントの練習方法や注意点を質問した。 まず①ポストからの脱出で必ずコンパスを振ること、②ルートを選択する時間は無くぱっと思い浮かんだルートを使った方が良い、 ③ポスト周りの動作をスムーズにし、できるだけ止まらない、ということを心がけた。 これはミドルやロングの技術の向上に繋がった。

強化合宿では現地のテレインを経験した先輩方に教えて貰った。 現地のテレイン対策をチームで考えあったりした。 この話し合いでルートプランをするときに簡単なルートとベストルートを必ず考える癖を付けるようにした。 またリレーについては各走者のシチュエーションなどを具体的にイメージして話し合った。 また東大大会では次走者への情報伝達の練習をした。

直前にばたばたと忙しくなってしまい体調面で無理を強いてしまった。

トレキャン及びモデルイベントについて

一日目に地元の大会に参加することができた。 植生のチェック、地形のイメージと現地はあっているか?等チェックをした。 とても平らでしかもきれいな植生だったためとても楽しめた。 日本のオリエンテーリングとさほどイメージは変わらなかったので安心することができた。

モデルイベントではコースを組んでもらい1度軽く回った後、薮の中のポストや微地形の確認を何度も行った。

3. レースについて

私はスプリント、ミドル、リレーに出場した。

スプリントではスタート直前にデフケースを忘れていることに気づき慌てて取りに帰るというミスをしてしまった。 持ち物リストを活用できていなかった。 無事に出走できレースを進めていったがポストが走行中に見えない場合(薮が手前にある、建物があるなど)、差が大きく出てしまった。 またレース中盤で1つポストを取り忘れるという致命的なミスをしてしまった。 5ポストを取りに行く際に9ポストを目撃した。 5と7ポストでミスをして焦り「次はさっき見たポストだ」と8ポストを飛ばして9ポストを取りに行ってしまった。 絶対にペナをしてはいけない。 送り出してくれた方々に申し訳なかった。

次のミドルまでには気持ちを切り替えることができた。

ミドルでは自分らしいレースができた。 途中何度か他国の選手に遭遇したときラフな部分の走行スピードには差を感じなかった。 しかし足場の悪いブルーベリーの群生地や薮の中、ポスト周りの脱出に差を感じた。

リレーではペナを前前日のスプリントで出したためにとても神経質になってしまった。 スプリントが終わってからは自分がベストのレースをするにはというより、いつのまにか確実に確実にと考えてしまっていた。 ポストで番号を確認する自分を何度もイメージし、できるだけ確実なルートを取ること、などを考えつつアップした。 この時の考えは間違っていないと思う。 レース中ポストを取った後不安になれば必ずもう一度確認しにいっていた。 いつもと違うレース運びとなりミスも増えていった。 確実に回ろうとしているのだから遅いかもしれないと焦ることは無かった。 成功した点は1走の番場さんからの情報をうまく使えたことだ。

4. 大会後の練習について。

 ユニバーのリレーが終わった後、大会運営者や各国のオフィシャルがリレーのコースにチャレンジするイベントがあった。 密かに参加させてもらった。 一斉に老若男女がスタートした。 私はほとんど中年男性の集団と一緒に回っていた。 1度走ったコースだったこともありスピードが出た。 彼らはポスト周りで少しスピードを緩めるものの止まることはほとんど無かった(地図を読むためにメガネをはずしている人はいたけれど…)。 スピードトレーニングとしてとてもいい体験ができた。 自分はもっとスピードを出せる、という自信になった。

5. 全体の感想(準備から大会終了まで)及びこれからの目標

ユニバーに参加することができとてもプラスになった。

他大学のリレーに対する姿勢を勉強することができた。リレーチームを作り上げるにあたり信頼できるチームメイトに恵まれた。

スプリント競技の面白さをしり、ミドルやロング競技にもプラスとなる技術を得られたことは大きな収穫であった。

また初めての海外遠征だったが十分に情報を集めたこともありストレス無く生活できた。 近くのスーパーマーケットでの買い物が気分転換になりとても楽しめた。

同年代の世界レベルを体感できた。 まだ遠い位置にいるがもっとスピードを上げること、ポスト周りをスムーズにこなすこと、もっと不整地での走りになれること、 などなど一つ一つクリアしていき、できることならもう一度世界に挑戦したい。

6. 最後に

今回ユニバーに出場するにあたり加賀屋博文さん、寿理さん、尾上さんに大変お世話になり、合宿を運営してくださった方々、応援してくれた東北大・MG、OB・OGの皆さんにとても感謝いたします。 それからチームメイトにもいろいろとお世話になりました。 自分でも驚くほどポジティブに大会を楽しむことができたのも本当に皆様のお陰でした。 ありがとうございました。

後輩達にユニバーの体験をもっと伝えて次のユニバーの活性に繋がればと思います。


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