第14回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

高野 麻記子
2003年度 筑波大学卒

報告


内容

  1. ユニバーまでの準備
  2. トレキャン・開会式
  3. 競技日程中
  4. レース全体を振り返って。とユニバーの感想
  5. 日本での全体を振り返って
  6. 最後に

ユニバーまでの準備:

レースでの目標設定

海外初レースで、今回から予選もないので目標をどう設定すればいいのか具体的な数値がわからなかったので、 レース目標は「自分のオリエンテーリングをしてくること」としました。 むしろそれよりも、どのくらい違うのか?何が違うのか見てやろうという意味で、よい経験になればいい的に考えました。 割り切りです。

体力トレーニング

「いくら体力が低下したといっても周35km(朝ジョグを除く)はいけるかな」と体力トレーニングを始めたものの、 合宿が結構つまり気味だったのか右脚の痛みが出てきたので、 3週間くらい後からはオリエンテーリングを含めて30km弱(周1のLSDと不整地走ジョグ、 様子を見て不整地走を省くこともあった)のトレーニングを1週間前まで行いました。 朝ジョグはほぼ毎日行ってました。

技術的トレーニング

合宿の多くをNTの選考会にかぶらせてもらっていた関係で、 自分の遅さと下手さばかり見えてきて、逆にどうしたらいいか困りました(その前に基本的に走力がなかったが)。 その中で自分は特に方向に関して疎いほうで、チェコでは確実に必要だということから、 正置をして顔を上げるイメージをした地図読み走などを行いました。 合宿では多くが地形のしっかりしたテレインで行われたことと、他の動作を速く行いたい気持ちから課題をついついサボり気味になってしまい、 少々上達したにとどまってしまったのですが、少しは上達してるだろうということで直前には楽観的に考えて、 できることをまとめたりしていつもやっている通りに調整しました。 東大大会で幸運ながら入賞できたので、それを材料として自信を持っていくことにしました。

スプリントについて

スプリントを走ることが正式に決まったのは5月15日の静岡合宿でしたが、 スプリントの練習はオリエンテーリングスキルをつけるのによいトレーニングになると思ったのもあって、 もう少し早くから決めて取り入れた練習をすればよかったと思います。 今年からユニバーで種目に入ったスプリントではあるものの、小泉さんの設立した日本スプリントO研究所がとても参考になりました。

トレキャン、開会式:

飛行機の中では離陸後3時間くらいから時計を現地の時刻に合わせて行動し、 現地時刻を考えて行動したので、現地に到着した日は非常に疲れたものの、翌日からは差し支えなく行動できました。

トレキャン初日は現地の大会のレースに参加しましたが、道や切りとおしが判らず、 またやぶとAの林の見通しのよさの切り替えにもやられて大いにつぼりました。 「これから数日で、しっかり対応させていかなければ」と思ったのですが、道や切りとおしがわからなかったのはそのテレインならではのことだったらしく、 翌日のトレキャンとモデルイベントに入って「日本で新しいテレインに入るのと同じで対応できる」と確認できました。 むしろ1日目以外はとても気持ちのよいテレインだったので「楽しいぞ、ビバ!チェコテレイン!」と、レースに向けてわくわくしていました。

オリエンテーリング以外の生活は、シャワーからはお湯も出るし、食事もめったに食せないチェコの味が食べられるから楽しみだったので、 不便なところは感じませんでした。 朝はバイキング形式だったため、始めはとる量を間違えて、食べ過ぎたことも。。。 朝ごはんの品数が多く、夜は少ない感じでした。 案の定、肉の量が多く野菜は少なめだったので、そこら辺は近くのスーパーで水とともに買ったりして何とかなりました。 炭酸水はとても飲めませんでしたが。

競技日程中:

ロング

テレインで確認したいものもなくなったし前日までの疲労が結構残っていたのと、暇なのもつまらないので、ロングの日は観戦しに行くことにしました。 ゴールに現れるトップ選手の走りは軽快で、9k以上走ったようには見えなかったのが印象的でした。

(そういえば昼のサンドイッチ(のマヨネーズ)が変な味でまずかった。 小泉さんが朝のバイキングを利用してサンドイッチを作って持ってきたのを、それ以降まねる人が多かった)

スプリント

疲れを抜くための朝ジョグをし対外は中盤のスタートだったので普段どおりに準備、 ウォームアップエリアの地図が用意されていたので、アップしつつ確認しました。

コース的にはトリッキーなレッグらしいものはほとんどなく、体力的には疲れはなかったものの走力的な制限が主でスピードは出なかったので、 逆に自分としてはしっかりとできました。

ただレース中気になったのはデフでした。 スタート地区に入ってデフをとったとき、風で飛ばされたのかさっきまであった自作のデフケースがなく、 時間もなかったのでゼッケンの安全ピンでくっ付けてやることにしたものの、いつもはそうしてないので見づらく、 地図のデフで確認することにしたのですがスプリントの動きの中で時間をとられるのでいらつきました。 あと、コース後半にはギャラリーが多数いて、ペナをしてしまったコントロール前には日本チームがいたのが見えました。 コース始めの方で男子と共通のコントロールがあったことと、イメージと違和感なくポストが出てきたこと(と、ちょっとかっこつけたのもあったかも)で、 ポスト番号を確認せずにチェックしてしまいました。 最後だと思っていたので、他の人が何か言っていたのにも気が付かず、そのままゴールしてしまいました(何にしてもペナはペナで、 防ぐべく最後までチェックすべきだったという話ですが、参考にでもなればと思って書きました)。 「スプリントだから」と思ったのか、必要以上に時間がもったいなく感じてしまったと思いました。

ミドル

最後のほうのスタートだったため、ゆっくり準備しました。 スタート地区はネタの宝庫なので、飽きることがなかったです。 モデルテレインの隣に位置してとても似ていることが判っていたため微地形さえ何とかできればと考えていました。 16ポまでは、微地形地帯でミスってリロケートしたりルートチョイスミスを1つしたものの、現地との対応はできましたが、 疲れてきたのとチャイナのこばんざめパックにうんざりしたその後で、対応ができないまま進むなどのミスをたくさんしてしまいました。 大つぼりにはしなかったもののざっと考えられるだけでも4分近くミスっているので、そこで最後までしっかりとできたらよかったし、もったいなかったと思います。 チャイナさん(?)にとって、ついていける恰好のターゲットになってしまったらしく、地図も全く見ずについてきました。 こばんざめパックもあるんだってことです。

優勝者のスウェーデンの選手にルートを見せてもらいましたが、微地形地帯でも現地を見てリロケートしてポストに向かっているようでした。 途中で彼女を見たのですが、走りながら地図をみてそれをこなしているようでした。 地図と現地との対応能力の高さと、それに要する時間が短いようだと感じました。

リレー

私はミックスで走ることになっていましたが、何かと噂のロシアチームと走れることになったのと、 日本女子の4走を浅井千穂様とも応援したかったので「速く帰ってこなきゃな」とモチベーションを高く持って臨めました。 何ヶ所か不安で遅くなってしまったし脱出ミスもしましたが、大きなミスをすることなくレースを終え、 スピードはなかったものの一番よい感じのレースができました。

レース全体を振り返って。とユニバーの感想 :

トップと比較すると、スプリントでは(ペナらなかったとすると)127%、ミドルでは164%、リレーでは150%という結果でした。 全部のレース中、向こうの選手の走りを見ることができましたが、走り、手続き、現地との対応すべてにおいて速いペースでおこなっていました。 自分は(自分の話で恐縮です)遅いペースでもミスをする、へたっぴなOLをしている、とまず感じました。 その上に「走力がないと何も始まらない。 どんなところでも速く走れることが必要」と言えると思います。 それとともに、というかその上で、それにあうような「速いナビゲーション、手続きができること」が必要だと感じました。

今後ですが、近いところでは、とりあえずへたっぴーなので(遅くても)ミスの少ない、上手いオリエンテーリングをできるようになるべくトレーニングしようかと思っています。 その上の話はそれが把握できたらはじめようと思いますが、とにかくカミーラさん(ミドル優勝者)は格好よかったので、少しでもいいからあんな風になれたら、なんて考えながらやっていきたいと思います。

私は海外でオリエンテーリングをするのが初めてだったのですが、聞いていたことも聞いてなかったことも、すべて新鮮でした。 ミドルのスタート地区に向かうバスでラブシーンが流れてたりとか日本だったらまず、ないない(オリエンとは関係ない?)とか、面白い人が海外にだってもちろんいるわけで、突っ込みどころ満載で個人的にはユニバー期間中面白いことばっかで楽しかったです。 こう感じたのは性格からかもしれませんが、ユニバーも含めこれから海外でオリエンしに行く人は、レースでしっかりとした結果を出すことが重要だけど、それ以外も全部を楽しんでほしいと思います。

生活環境や、今回のチームの環境がすこぶる良好だったのも関係があるかもしれませんが。

日本での全体を振り返って

自分の事に関して

選考会からユニバーまでの期間で思い切ったトレーニングに踏み切れなかったのと、 選考会まで休止モードに入っていたのが自分の反省点です。 インカレの後は右脚を回復させたり、放り出してた卒論もあってトレーニングはほとんど行なっていませんでした。 大目標であったインカレが終わった脱力感から、休みモードに入っていたことが大きな要因ですが。 今思うと、その1ヶ月間に充実したトレーニングをして選考会、ユニバーに臨めていたら、と悔やまれます。 体力的に落ちてしまったのがわかったし、その体力低下によって思うような走力に持っていくことができませんでした。

それ以外のこと

また、番場さんや小泉さんなどの重鎮がいてくれたのでまとまりがよかったように思いました。 経験者がいてくれたのでとても頼もしかったです。

チームの皆さんにまず、ありがとうございました、と言いたいです。

最後に

オフィシャルとしてお世話になりっぱなしだった加賀屋さん、寿理さん、ありがとうございました!お2人がいて何よりもいつも楽しかったです。 チェコまで来てくださった尾上さんや、合宿でスタッフとして協力してくださった恵美さん、ふかひろさん、西脇さん、田所さん、天気に恵まれない合宿中、ありがとうございました。 また、応援や支援をいただいたすべての方に感謝します。 ありがとうございました。


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