2006ユニバーを目指そうと思ったのは、2004ユニバーのとき。 2006年はスロバキアのカルスト地形でユニバーが行われると知ってから、2年かけて、2006ユニバーを目標に頑張って行こうと決めた。
あれから2年、WOCやWcupなどの国際大会を経験し、自信を持って臨める半面、 結果に対するプレッシャーやWOC後の切り替えなど、2回目のユニバーであるがゆえに大変なことも増えた。
前回の成績を超えることはもちろん、WOCよりも選手層が薄いであろうから、WOC以上の成績を残さねばと思った。
ロングは、top比120%以内、20位以内、スプリントは、top比110%、20位以内を狙い、 リレーは、1走を集団で帰ること、USAには勝ち、去年の順位である14位を超すことを目標として臨んだ。
9日から現地入りをしたが、初日は移動だけで疲れた。
10日から山に入った。 初日は、7500分の1の山である。 コントロールはないので、体を慣らす程度に山の感じを見ながら、jogで回った。 3km、40分程度。 藪が痛いし、斜面がきつくて、不快な感じなので、山がいやにならないように道を多用して、出来るだけ快適に回れるようにした。 テライン内に展望台があって登って、コシチェの町並みを眺めた。 なかなか良い眺め。
11日は、カルスト地形のテラインに入れた。 白いが、石がごろごろしていて、危険である。 今回はテープまきがしてあるので、オリエンテーリングの練習が出来る。 ロング対策に15000分の1を使い、ロングレッグの練習をした。 カルストでのロングレッグは、どのようなルート取りをして良いか不安があったし、途中で現在地ロストする心配もあって不安であったので、どのようにロングレッグに対処していいかトレキャン中に決めておこうと思った。 しかし、序盤で捻挫をしたので、そうそうにやめた。 不完全燃焼である。 しかし、ちょっとやった感じだと、思ったよりもドリーネを追えるし、そんなに難しい印象も受けず、コンパスをしっかり使って、方向を意識すれば。 出来ると思った。
12日は、捻挫の調子を見て決めようと思ったが、走れるので、3kmくらいの短い距離をレースピードで。 テラインがカルストではないので、山のイメージを作るよりは、コンパス直進の練習と脱出の方向の意識の練習をするために山へ行った。 地図読みのイメージは合わなかったが、ロングとはテラインが違うし、コンパスを使って、スピードを上げてできたので、よしとした。
13日は、レストで、スプリントテラインの観光へ行った。 マップを持って行っていいけど、走ってはだめ。 しかし、どうしても走り出したくなる。 抜け道をチェックし、ポストが置かれそうなとこを考えながら、観光した。 博物館へ行ったが、拷問グッズとか地下とかを見た。 尾上さんが1番のりのりであった気がする。
14日は、またカルストテラインへ行った。 ロング2日前なので、レーススピードで短い距離を集中してやる。 ロングレッグの不安は少なくなったので、ショートレッグを主に、ポストのつけ方などを気にしつつ練習した。 怪我をしないように気をつけた。 前回には気づけなかったが、ドリーネからの脱出がすごく難しいことが判明した。 そして、ドリーネの中の特徴物についていると上から見えないこともある。 高さをイメージするのもすごく難しい。 1回目では、露呈されなかった課題が見つかり、とても充実した練習ができた。
15日モデルイベント。 足の調子が良くなかったし、ミドルテラインのモデルなので、スタートレイアウトの確認とポストのつけ方の確認をしたのみで、走らなかった。
トレキャンは、やり過ぎに注意することと、周りに流されず、自分の希望をしっかり持ってやって行った方が良いと思う。
私は、疲れが残った状態、捻挫を抱えた状態で本番を迎えることになった。 ピーキングがまだへたくそである。
ロングは、ドリーネ地形。 ドリーネは、一回現在地がわからなくなると復帰が難しく、ドリーネからの脱出では方向維持が難しいということがトレキャンでわかったので、その点に注意してやるようにした。 足場の悪いとこも多く、捻挫はしないよう走り方にも気を付けるようにした。
始まってしまうと4ポまでは、コンパスを丁寧に使えたし、プランも確実なものを選択し、調子よく進んでいた。 しかし、1度ミスをしてしまってから、ちょっと崩れ始めた。 1度わからなくなると、たとえあっていても確信が持てなくて、無駄に不安がったり、あせったりする。 そして、ロングレッグで、スピードを上げすぎたことと、プランがちょっとあいまいであって、 イメージどおりでないのに、自分で都合良いように解釈して進んでしまったりして、かなり行き過ぎていた。 マップアウトはしなかったので、リロケートの時間はかからなかったが、 かなり遠くまで進んでしまっていたので、ロスタイムは大きい。 後半は、チェコの選手とほぼパックになり、スピードを上げられた。 最初はそんなに速くないと思っていたが、脱出がうまいということと、 道などラフオリエンテーリングをできるとこでは、スピードが上がるので、じわじわ離される感じがあった。 ただ、そこで焦ってプランをあいまいなまま飛び出しては、だめだ。 一瞬先に出て行かれても、きちんと進めれば、背中は見えてくる。 それで、ゴールまでその選手のスピードを使えたのが良かった。
全体で、崩れたときの対応やロングレッグのプラン・実行で、まだまだ力がないことを感じた。 ドリーネは、私は好きだ。 やっていて面白い。 前半の調子でいければ、20位も切れたと思う。 とても残念だし、悔しい。
ロングは不甲斐ないレースになってしまったので、得意種目のスプリントでは、何とか成績がほしいと思って、かなり気合入れた。 米ちゃんは帰っちゃうけど、先輩としても意地を見せないといけないと思ったから。
スタートに立ったときに、緊張すると思ったから、周りを見回して、緊張している人々を観察し、自分だけじゃないと言い聞かせた。 とても落ち着いた。 スプリントのテラインは、コシチェの街。 散歩もしたし、どんなとこにポストを置きそうか、どこを通すか予想もしていた。 だから、イメージはしやすいので、そこまでの不安はなかった。
始まってしまうと、WOCの速い人のイメージをしながら、アタックして脱出するスムーズさ、走りの力強さ、すべてトップ選手の気分で走った。 やはりしんどい。 街スプリントは走れ走れで、頭が朦朧としてくる。
レース全体として、ミスはほぼない。 ルートチョイスで間違えたとこくらいだ。 後は、役員が邪魔だったくらい(笑)噴水の中においてあるポストに驚かされた。 走っていて、楽しかった。 走れてつらかったけど、自分がコントロールできなくなる以上には走らずできた。 さすがに、後半は手続きが遅くなるし、朦朧とした。 良く走ったと思う。
ラップを見てみると、ちょこっとポストを探したり、ロングレッグでベストルートを使えなかったことが、思った以上のロスタイムだった。 ゴール後は、体力的にこれ以上縮まないと思ったが、5秒は縮むなあと思った。
17位というのは、ユニバーといえどもすごい順位であるけど、やはり欲というのは出てくる。 もっと上にいけた。 15位以内には入った。 10位を切れるチャンスだったかもしれない。 うれしさもあるし、悔しい気分ももちろんあるし、もっとスプリントを極めてみたいと思った。
リレーは希望していた1走をやった。 WOCでうまくできなかったこともあり、今度こそは。 という思いいれをしていた。 集団で帰りたかったし、みんなのために1分でもタイムを稼ぎたかった。
1ポまでは落ち着いて行けた。 しかも、集団で走れて、そんなに速いわけでもない。 これはいける、と思ったが、焦る気持ちで前に出てしまい、スピード上げすぎになった。 技術とスピードのバランスを崩した。 そこから、立て直そうとしたが、1度遅れをとると、焦った。 ついて行こう。 そんなことで、プランが固まってないのに走っていた。 そこで、隣ポに行った。 それで疑心暗鬼になった。 思い切った動きが出来ず、数分ロス。 集団においてかれたと思ったときに、続けて集中してやってく強さがなかった。 後のメンバーのことを考えるとがんばれたが、1度切れた集中力を戻すのは難しい。 WOCでもおいてかれてからの勝負をイメージトレーニングしていたけど、身につけるのは、時間と練習がいる。 今後も根気強くやってくしかない。 崩れたとき、どうやって復帰するのか。 自分のスタイルを見つけていきたい。
最後のユニバー、心残りないように自分のレースをしたいと思った。 それができたのは、スプリントだった。 スプリントは、自分の得意種目という意識が濃くなった。 2回目ということで特別に困ったこともなかった。 メンバーも新しいし、気分は新鮮になっていた。 カルスト地形は、おもしろくって、レースは楽しかった。 もっとオリエンをしたかった。 今回はトレキャンがこじんまりしてたぶん、海外選手と仲良くなれた。 今回すごく嬉しかったことは、農工大から2人もいけたことだ。 しかも、米谷さんはミドルで好成績を出した。 さすがわが後輩(笑)
海外選手と戦うこと、日本以外のテラインを走れること、大会の緊張感、何もかも楽しい。 ユニバーは同じくらいの年の人たちだし、そんな人たちとオリエンのことばっか考えながら、 生活して、オリエンの話とかいろいろして、充実した毎日を過ごすのは貴重な体験である。 たくさんの人にユニバーを目指して、海外で走ってほしいと思う。
最後になりましたが、ご支援ご声援をくださったみなさん、オフィシャル、サポートをしてくださったスタッフの方々、ありがとうございました。 そして、ユニバーメンバーのみんな、楽しいひと時をありがとうございました。 今後もよろしく。