第15回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

森澤 寿里
2005年度 奈良女子大学大学卒

報告書


内容

  1. ユニバーまでの準備
  2. レースに対する評価
  3. 感想
  4. チームに対する要望
  5. 反省と今後に対するアドバイス
  6. さいごに

1, ユニバーまでの準備

目標

就職先が決まったのが、インカレ直前というときに、一気に絶望の淵から這いあがり、オリエンを将来的にも続けられるということに嬉しくなった。 それならもうちょっと、がんばってみようと思い、ユニバーを目指すことにした。 それゆえ、ユニバーに向けて取り組みを始めたのは、選考会が終わってからである。 これから4ヶ月で何ができるのかを考えた。 自分に足りないのは圧倒的に走力、特に平地とか道走りにおいてなので、それを中心にトレーニングをすることと、 インカレまでに課題としていたレースにおいての意識の切り替え方が消化不十分だったので、ユニバーまでに身につける、ということに決めた。

取り組み

4月から社会人となり、住環境も生活サイクルもすっかり変わってしまったので、まずは新しい環境でどのようにトレーニングできるのかが課題であった。 新居はトレーニング場所になりそうなところの近くに決めていたので、仕事から帰って走りに行くことができた。 最初は、平日の精神的な疲れがものすごく、気持ちの持っていきかたが分からなくて、トレーニングしなきゃしなきゃと思うことが余計にストレスとなった。 しんどいときは思い切ることも精神衛生上大切だとおもった。 6月ごろになって、割り切って気持ちよくトレーニングできるようになった。 また5月から週に一回、ランナーのおじ様と走る機会を得たので、そこでスピードを維持して走ることを覚えることができた。

会社の上司と直属の先輩には選考会が終わってすぐに、8月に行くことを報告して理解をしてもらった。 このことは、非常に楽であった。

私がいちばん厄介だと思ったことは、食べることだった。 平日に遅くに帰ったらお腹がすきすぎて動けない。 何か口に入れ、食べ過ぎないようにして、自分を叱咤して走りにいくこと。

反省として、地図読みを一緒にする人がいなかったことで学生時代よりも、定期的に面白く勉強するということができなかった。

お金のことは、非常に苦しかったものの、応援してくださる方から援助をしていただくこともでき、どうにかなった気がする。 会社の理解もそうだが、やると宣言すれば周りの環境は自ずと付いてくるということがわかった。

スピードのあるレース

4ヶ月はあっという間だったけれどその中でも、自分の変化は確実にあったように思う。

レースでの走り方も変わった。 スピードがついてきて、追い込んで走るということが出来るようになってきてから、ミスを恐れずに進めるようになった。 課題としていた意識の切り替えができるようになってきて、どこで何をしなければいけないかを体とアタマが覚え始めてきた結果だったと思う。 それでもどこかで、ブチッと集中力が切れてしまいそれができなくなるときは、体力がまだまだ不足しているなとわかった。

合宿

NTと同じ合宿という機会はあまりなかったので、かなりよい刺激になった。 速いひととはしることは面白いし、なにより自分の足りない部分が浮き彫りになって次への課題に繋がった。 頻繁にあったことで、メンバー同士高めあうことができ、かなりよいモチベーションが維持できたと思う。 特に今回はリレーのメンバーが最後まで決まらなかったこともあり、 長い話し合いもできたし、それが自分の意識も再確認させてくれ、ユニバーに対する気持ちが持っていきやすかった。

2. レースに対する評価

ロング

カルスト地形。 1回モデルイベントで入っただけだったが、カルストのイメージはしやすかった。 ただ初のレースは、ミスをしないようにしないようにとかなり弱気だった。 進む勇気が足りなかった。 巡航速度遅く、ミス率は低いそんなレース。 圧倒的な走力の差を感じた。

ミドル

ロングのように抑えすぎないようにしようと思っていた。 ロングの岩の多かった地形に比べ走りやすくて、スピードがでたため、地図読みがついていかず、イメージができなかった。 ミスの連続で途中で笑いそうになったくらい。 日本で練習したことの何も活かせなかった。

リレー

今まで散々話し合ってきて、結果メンバーとして走ることになった。 すごく緊張していた。 4走である。 すごく暑い日で、倒れそうになりながら1走の皆川さんが帰ってくるのを待っていた。 圧倒的な信頼感を得ていた彼女が、帰ってきたときに、それだけで私は感動した。 これがリレーというものなのだと感じてドキドキした。 2走と3走の2人が繋いでくれてスタートする。 スタート前にイギリス女子の優勝を見た。 同じ舞台に立っているのでということが、ふいにわからなくなった。 レースは集中して確実にすすめたが、最後におおきなミスをした。 集中力が切れたことの原因は不安だったと思う。 私は信頼に応えられるか、という。 自分の弱さに泣きそうになりながらゴールしました。 そのことだけは皆に謝りたいと思う。

3. 感想

ユニバー全体のレースを通して、どれがいいといえるものはなかったように思う。 初の世界の大会で、萎縮した自分を感じ、日本でやってきたことを出し切れなかったことが悔やまれた。

外国選手のからだはきれいだった、しなやかで無駄がない。 どの選手も思わず触らせてと言いそうになるほどの美しさ。 これが必要なのだと改めて思った。

4. チームに対する要望

4ヶ月という長い期間、頻繁に合宿を開いていただけたことは、本当に良い練習の機会だった。 特に毎回ファシュタなどの高速トレーニングがあったことは、苦手意識の克服にもなった。 毎回、運営してくださった西脇さんには感謝してもしきれません。

5. 反省と今後に対するアドバイス

このユニバーで私はたくさんのミスをした。 会社でのストレスもミスだし、疲れて走りに行かなかったこともミス。 合宿でやったことを消化しきれないまま次の合宿になってしまうことのミス、もっと色んな人に教えを乞わなかったミス。 コミュニケーションが不足だったミス。 自分のオリエンについて考えることが少なかったミス。 それらが重なって今回の結果になったと思う。 ということで反省することはたくさんある。 それを悔やんでも仕方ないので、今後に向けそれを活かしたいと思う。 まずは、長期的なプランニングが必要だということ。 今より速く、世界で走るにはやはり体から違うことは分かりきっていて、そのためには数ヶ月では全然足りない。 明確な目標を掲げ、近くにクリアすべきものを掲げてコツコツやるしかないのだと思った。

今回感じたのは、やりたいと思ったらやればいい、やりたくなったときにやる、やらなくてする後悔よりやって感じるものがあるはず。 ということです。

6. さいごに

皆にあえてよかったです。 ますますオリエンが面白くなりました。 合宿等ひらいてくださった方々、西脇さんをはじめスタッフの方に感謝しています

これからどうなるかは分かりませんが、世界を目指すことは諦めたくないと思います。


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