私からは主に国内合宿・選手強化・今後の方向について報告します。 なお、正式には世界大学オリエンテーリング選手権 World University Orienteering Championships (WUOC)ですが、 文中ではユニバーと呼ぶことにします。
オリエンテーリングのユニバー選手派遣に関わっている日本の団体は、日本学生オリエンテーリング連盟・ 日本オリエンテーリング協会(JOA)・日本オリンピック委員会(JOC)があります。 また、日本大学スポーツ連盟(NTNU)も絡んでいます。
因みにユニバー自体の主催団体は世界大学スポーツ連盟(FISU)であり、 世界選手権(WOC)を開いている国際オリエンテーリング連盟(IOF)とは異なるので、そもそも別の大会と思ってもらう方が良いです。
構成としては[FISU>NTNU]かつ、[JOC>NTNU,JOA]かつ、[JOC>日本学連]なんですが、実は[JOA>日本学連]とはなっていないんですね。 ただしJOCからするとJOAと日本学連につながりがないのはおかしい、と。 この辺りがややこしい所ではあります。
ですのでユニバー選手の選考・派遣は日本学連が行い、選手名簿はJOC(NTNU)経由でFISUに提出してもらうのですが、 日本学連からJOCへ提出する名簿は、形の上ではJOA経由としています。
WOCやJWOCの選手選考はJOAで実施し、ユニバー選考は日本学連が行っているというのはこれが理由の一つです。 現在取り仕切っているのは技術委員会となります。
なお、日本学連からはユニバー派遣補助金として現在は70万円を拠出して頂いています。 補助を受けた選手には、出来るだけ学連への協力(合宿指導・インカレ運営・委員会活動等)を求めて行くことで還元という形を取っています。
今回、ユニバー代表選手選考レースとは別に、直近のインカレミドル選手権クラスの優勝者もユニバー選手として選出しました。 技術委員会内部でもいろいろと議論したのですが、世界学生選手権の代表として、 日本学生選手権の優勝者が選出されるのは自然なこととして実施を決めました。 出来るだけ現役学生に近い世代にユニバーを、世界を体験して欲しいという願いもあります。 但し、公表時期等の問題もあり、ロング優勝者は対象外としています。 この辺りの次回の方針は2年後までに決めていく必要があります。
ユニバー選考対象レースとしては、スプリント・ミドルの2レースをWOC選考会と同時開催として実施しました。 参加の基準成績等を取り払い、意欲のあることを優先としましたが、参加者としてはあまり変化はありませんでした。 広報についても工夫が必要と感じています。 2レースの成績を元にして選手選出を実施しました。
強化としては、今年はNTとの合同合宿を多数開催しました。 前回よりJOAとの連携を深めて来ており、コーチ陣の人の交流も多いことから、互いのメリットを生かす形での合同合宿となっています。 NTとしては参加者を増やすメリット、ユニバーとしてはハイレベルな練習機会の享受というメリットでした。 ただし、ユニバー単独の合宿も開いた方が良いとの前回チームの意見を受けて、単独合宿を八ヶ岳で一度開催しています。 この際には石澤さんを始めとしてトータスの方にお世話になりました。 ありがとうございました。 全般的に合宿を通じてのオリエンテーリング機会の提供という面では十分でしたが、 多すぎた為もあり、最初から優先度(重要度)を決めておいてあげれば選手側の負担を減らせられたかもしれないです。 今年の、とにかくたくさん参加、というのでは金銭的にも負担が大きかったのだろうと思います。 申し訳ありませんでした。
日本での合宿中に決めるべきこととして、「個人エントリー種目」「リレー選手」を決めるという目的があります。 個人種目の決定はそこまではもめていなかったと感じていますが、リレー選手の決定にはいくつかの問題がありました。 最も申し訳なかったのは私が主導してあげられなかった点にあります。 選手主導としてうまく決めるというのは非常に難しいことは認識していたはずだったのですが、 きちんとしたコーチ役を最後まで決められなかった技術委員会の責任です。 次回に同じことを起こさないよう、改善して行きます。
逆に選手に皆さんには、こうした方が良くなるという意見は 積極的に出してもらえれば次回以降に生かしていくようにしますので宜しくお願いします。
現在、新体制となったJOAの下で色々な改革が進んでいる。 その一環として学連との関係強化も進んでいく可能性があります。 学連とJOAの関係が整理された暁には、よりWOC代表とユニバー代表の強化の連携アップ、 選考レースの一元化が進んで行く可能性はあり、そうなった際には技術委員会の役割なども考えなおすことになるかもしれません。 ただし、ハードルを今以上に高くしてしまうということは避けたいと考えています。 (ハードルを低くして誰でも行けるようにするという意味ではないです。)
JWOCの世代とは異なり、ある程度オリエンテーリングというものを知った時点で世界を感じられる大事なチャンスとして私はユニバーを捉えています。 もっと知ってもらい、もっとチャレンジしてもらえるように、選手だった皆さんには広報やアピールを積極的にお願いしたいと思います。
(もちろん、チャンスのある人は次回も是非目指してください。ついでに技術委員会への参加もお待ちしております。)