前年に八ヶ岳で開かれた6人リレー大会の翌日から、本7人リレーのための地図調査を開始した。菅平高原における地図調査は、冬季は雪のため全く行うことができないため、1年前の秋と開催年の春が集中的に調査の出来る期間である。
原図は、20年以上も前に地元真田町が作成した行政図「真田町全図2」があるが、残念ながら経年変化が激しく、スキー場コースも一部記載されていない状況のため、今回は原図として使用することを断念し、全面的にパーマネントコースマップである前「菅平高原」(1995年作成)を用いることにした。
ただし、一般的にオリエンテーリングMAPを原図に用いるときは、前回の調査時における絶対位置精度のずれを修正する必要がある。それは、オリエンテーリングの調査の場合、相対位置の方が優先されるため、その大会において使用しない部分等に歪みが生じている可能性が高いためである。
今回の7人リレーでは、国道を挟み、東側のダボスの丘と西側の太郎山を使って行うことになり、ダボスの丘については、長野3days大会を開催しているエリアであり、既に精度の良いO-MAPが完成していると同時に、比較的オープンテレインで、調査も容易であった。しかし、太郎山については、スキー場と森林部分が交互に位置し、前回のMAPは、パーマネントコースということで、ほとんどの森林部分が未調査であるだけでなく、そこに歪みが集中している可能性が十分に考えられた。
そこで、人工衛星から現在位置を割り出すことの出来る「全地球測位システム(GPS)」を導入し、本大会の地図範囲の骨格を修正する作業を行うこととした。 GPSの受信機は、カーナビなどを始めとして、各社から発売されているが、測量用のGPS機器は、値段も高く、100万円以上する物がほとんどであり、個人で購入することは出来ないため、今回は、登山等で使用する小型・安価なハンディ型のGPSを用いた。ただし、この受信機単体では、100mほどの誤差があるため、そのままでは、とてもO-MAP用には、使用できない。そこで、今回は誤差補正情報を受信機に別途入力する方法を採った。詳しい方法は別の機会とするが、おおむね5〜10m程度の誤差で絶対位置がプロット出来ていた。 |