もうちょっと詳しいオリエンテーリングの説明 | |
右は、オリエンテーリングのコースの例です。競技の形式は、ポインオリエンテーリングと呼ばれる形式(これが基本形です)で、多くの競技会(大会)がこの形式で開催されています。 競技者は、スタート(△印)し、1から順番に全てのコントロール(○印:右の例では9までの:「ポスト」と言うこともある)を通過して、ゴール(◎印)までの所要時間を競います。最短時間で、ゴールした競技者が1位となります。 同一コースを走る競技者は、1分から数分の間隔でスタートする方式(タイムスタートと呼びます)が一般的です。コースが印刷されている地図は、大会の主催者が用意します。地図はスタート時にスタート地区で指定された場所から競技者が取ります。競技者は、スタート後に初めて走るコースが分かります。事前にコースや地図が公開されることはありません。 |
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簡単な地図の説明 | |
オリエンテーリング用の地図(O-MAP)は、色で様々なものを表しています。以下に例を示します。 黒:道や建物等の人工的なもの。道は太さにより5段階に分けて表現される。 茶:等高線、崖、その他地形を表現する 青:川や池等の水系 黄:広場や畑などの開けた場所 緑:植生の通り易さ(白がもっとも通り易く、緑が濃いと藪で通り難い) 紫:コースや立ち入り禁止等 地図の上が北ですが、この北はコンパスの針が指す磁北です。普通の地図のように真北ではありません。地図の縮尺は、1万分の1や1万5千分の1が主に使用されていますが、5千分の1等も使用されることがあります。 |
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競技の開始(スタート) | |
通常、地図上の△印とスタート地区は異なっています。競技者は、スタート地区でスタートし地図を受け取ったあと、地図上の△印まで誘導の標識により誘導されます。この間は100-300m程度です。このため△で示される地点は、実際はスタートではなく「オリエンテーリングを開始する地点」ということになります。 何故、別になっているかというと、前走者の行く方向が見え無いようにするためです。 所要時間の計測は、スタートから開始されます。 |
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クラス分け | |
オリエンテーリングでは、参加者全員が同じコースを走るわけではありません。参加者(競技者)の年齢、体力、性別、コースの難易度等でいくつかのクラスが用意されています。 通常2−3の選択可能なクラスが用意されますので、自分の体力・技術に合ったクラスに参加することが出できます。 |
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オリエンテーリングのコース | |
コースは、△→1→2→…→◎の順に○が直線で結ばれています。この○の中心にコントロールが設置されています。スタートあるいはコントロールとコントロール間は特別の誘導がない限り、競技者は自由にルート(経路)を選択することができます。競技者が最も早く次のコントロールに到達できると思うルートを選択することができます。 走力と体力に自信がある場合は、多少距離が長くても道を使い迂回しても構いませんし、地図読みと技術に自信があれば距離が短く登りの少ない最短ルートを選択することができます。 そして、未知の場所で、自分自身をナビゲートしてコントロールを発見できた時の楽しさが、オリエンテーリングの魅力でもあります。 地図には、立ち入り禁止地域や通行禁止も示されています。理由があって禁止されているので、立ち入りや通行をしないでください。また、地図には表記されていなくても、現地に青黄のテープで囲ってある立ち入り禁止区域がある場合もあります。また、人家の敷地や耕作地も通ってはいけません。競技を楽しむためのマナーを守りましょう。 また、救護所や給水所が設けられている場合もあります。 パープルで印刷されているコースの記号の説明。 |
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ルート選択 | |
オリエンテーリングでコントロール間(レッグ)のルート選択は非常に重要です。地図をよく読み(見るとは言いません)最適なルートを探しださなければなりません。 左の図では、2番から3番への3つのルート案を描いてみました。どれが速いのでしょうか? 距離と登りと途中の通行可能度から、いくつかの案を考えて、自分の体力・技術で最速になると思うものを選択します。 青ルート: ほとんど直線のルートで距離は一番短い。しかし途中で道以外を多く通るし、尾根を越える(登りがある) 赤ルート: ほとんど道で3番の近くまで行けますが、3つの案の中では、距離が一番長くなる。登りは少ない。 黄ルート: ほとんど道で3番の近くまでいける。赤ほど距離は長くないが、尾根を越える位置が高い(余計に登る) ルートは上記の3案以外にもあるでしょう。競技者は、即座にルートを決定して走り出すことになります。立ち止まって考えれば、それだけ時間を消費してしまいます。また、タイムスタートですから自分の順位は、競技者全員がゴールするまでは分かりません。 ルートを決定して走り出してからも、地図を読み続け、ナビゲーションをします。自分で決めたルートから外れてしまわないように、周囲と地図が一致しているかどうかをルートの要所要所で確認しながら進みます。地図から速そうなルートを読み取れたとしても、途中で迷っては意味が無くなってしまいます。 途中で迷ったら… まず止まります。そして深呼吸をして落ち着きましょう。最後に確認した地点からどの様に行動したかを考えます。それほど大きくずれていることはない(せいぜい数百メートル)はずなので、地図を正置(整置)して周囲の状況と一致する場所を地図上で探しましょう。やみくもに走り回るとさらに分からなくなる場合が多いです。できれば最後に確認した地点に戻るのが早道ですが、完全に迷っていると戻るのも大変だったりします…。 オリエンテーリングでは、マラソンのように一定の速さで走るわけではありません。道は早く走れますが、林や森の中はそれほど早く走れません。コントロールの近くでは、慎重になって遅くなることもあります。また、コントロールでは、少なくともパンチの間、止まることも必要です。走っている間も地図を見たり、次のレッグのルートを考えたりします。 オリエンテーリングの基礎技術(準備中)が役に立つと思います。 |
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コントロール | |
コントロールは、地図上に示された円の中心に設置されていて、左のように左上が白、右下がオレンジ色に塗り分けられたコントロールフラッグと通過証明のためのパンチと呼ばれるものが設置されています。 フラッグはどの方向から到達しても認識できるように三角柱状になっています。 コントロールは地図上かつ現地で認識できる特徴物に設置されます。特徴物とは、沢や尾根、崖等の地形、道の交点や分岐、小川の合流などです。 左の写真の場合は、「こぶ」に設置されています。 |
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パンチ(通過証明) | |
コントロールに着いたら、コントロールに確かに到達した証明をするためにパンチと呼ばれるもので、パンチをします。パンチした記録が残らないとコースを正しく廻ったことになりません。 パンチには、ホチキスのような形状のもので「チェックカード」を挟み指定欄にパターンの記してくるものと、電子式でEカード(メモリカードのようなもの)に記録を残して来る方法があります。 どちらも通過した証明とするもので、コントロールまで到達しないと記録できないようになっています。 大会では、複数のコースを設定するために、自分の走っているコースには関係のないコントロールも多く設置されています。コントロールは、番号で識別できるので、自分のコースの正しいコントロールかどうかを確認してパンチする必要があります。 右の写真では、電子式で左手に持っている 「Eカード」をコントロールに設置されている「ユニット」にはめているところです。パンチは、1つのコントロールに複数設置されている場合があります。どれでも同じです。フラッグはひとつです。 チェックカードについて(準備中) |
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コントロール位置説明 | 1番は、「小道の曲がり」
2番は、「こぶ、5x3m、北側」 |
コースには、コントロールの設置されている特徴物を説明する「コントロール位置説明」がつけられています。これは、右のような記号が使用されています。通常では、地図にコースとともに印刷されています。また、スタート前や会場で掲示されたり、配布されることもあります。 コントロール位置説明には、コントロール廻る順に、コントロール番号、特徴物の説明、コントロールの特徴物に対する位置などが表現されています。初心者用のクラスには通常日本語でも同様に内容が表記されます。 コントロール位置の説明の他に、コースの距離や登距離(コース全体の登りの合計)、クラス名等が記述されています。
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競技の終了(ゴール) | |
最終コントロールから、ゴールまでは誘導区間です。誘導は目立つテープ(赤白が多い)がぶら下げてあります(下の写真の赤白のテープ)。最初はちょっと戸惑うかもしれませんが、誘導区間は誘導を正しくたどらないと失格になる場合もあります。 最後は、上のようにレーンになっています。計時線まで気を抜かずに走りましょう。 ゴールではチェックカードを渡します。Eカードの場合は、Eカードの時刻を停止させるユニットにはめます。 所要時間により順位が決まりますが、タイムスタートの場合には、同クラスの競技者全員がゴールしないうちは、順位が確定しません。 |
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競技終了したら(走り終わったら)… | |
競技が終了したら、同じコースを走った人とルートを比較してみましょう。 人それぞれの視点からルートを決定しているので、自分ではまったく気が付かなかったルートや、逆に自分しか選択していないルートがあるでしょう。そうして、クラブの仲間で「どっちが速かったか」とか、「ここで間違った」とかを話すのもオリエンテーリングの魅力のひとつです。 そして、最後には表彰式で勝者を称えましょう。 |
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