団長 | 山川克則 | |
役員 | 村越真 | |
トレーナー | 安斉秀樹(東北大学) | |
事務手伝い | 益子奈緒美(静岡大学) | |
選手 | 鹿島田浩二(東京大学卒) | 稲村仁美(広島大学4年) |
小長井信宏(京都大学卒) | 植田佳子(広島大学4年) | |
鈴木卓弥(東京大学卒) | 金田収子(静岡大学4年) | |
松澤俊行(東北大学4年) | 金並由香(早稲田大学卒) | |
山内亮太(軍稲田大学3年) | 志村聡子(早稲田大学4年) | |
山本英勝(東京大学5年) | 千葉あかね(津田塾大学4年) | |
リザーブ | 高島和宏(東北大学卒) | 林ゆかり(筑波大学3年) |
方法論として握示したのは、以下の7つの技術と5つの手続き、特にプランを立てて走ること(=特徴的な地形を地図から読み取る、プランを立ててから走る)、1・2・3・4で正確なアタックをすることを、常に明確に意識すること。各レースや合宿の練習でもこうした明確なポイントによって結果を評価し、次のレースにつなげることである。
三月に学連とは関係なく「スイスのユニバーに行こう!」というビラを作成。選手のリクルートを始める。11月に選手の実カ・遠征可能性などにより3つのグループに分けてリスティングした。また有力な女子選手を集めて西日本大会の後合宿を行った。
これら選手に対するアプローチとして、以下のようなステップを考えた
ユニバー独自の合宿として3回、セレクション直後にナショナルチーム強化合宿に合流するかたちで1回、合計して4回の合宿をおこなった。前半の合宿(7月まで)で基本的な方法論を示し、それを実際のテラインの中で実行するという点を強調した。また後半(7月より)では、スピードアップやリレーなどの実際のレースヘの対応を重視した。また7月合宿ではヨルクをゲストに招いてスイスのオオエルについてレクチャーを受けた。スイス・ユニバーへの遠征をより日常的なものにするのにおおいに役立った。
-4/24 | セレクション 概略説明・自己評価チェックリストの提出 遠征計画作成・自己評価に基づく目標と練習計画の作成 |
-5/08 | 第1回 合宿(3-5) (参加:鹿高松鈴内山小・稲檀田金窓子林) 展望・チームの目標・個々の目標・計画へのFB ラップやビデオ、ランオブによって自分のOLを知る |
-5/29 | 合宿2 (参加:鹿高松鈴内・・・・・田・・千・) 基本的な方法(プランニング)を試す |
-7/03 | 合宿3 (参加:鹿高松鈴・・小・・植・金・千・) 基本的な方法(プランニング)を試す 実践的なスピードの中で生かす・ヨルクによるスイスのレクチャー |
-8/14 | 合宿4 8-11 (参加:鹿高松・・山・・稲植田・・千林) 実際のレースに近いOLをする・スピードアップ・高地に慣れる |
-8/28 | 27-28:フランス選手権参加;鹿内山金 |
-9/04 | トレキャンプ参加 (鹿・松鈴内山・・稲植田金志千・) 現地の地図一テラインの対応に慣れる、プランを試す スピードアップ |
-9/11 | Student WM 6:Short 7:Classical 8:Relay |
8/28 | 到着 チューリッヒホテル着 フランス遠征組と合流 |
29 | 移動 予想以上に時間がかかり、夕方4時ごろ着、1時間くらいのジョグ |
30 | 練習 エルナーガレンで、地図読みとルートプラン |
31 | 練習 シンプロンパス(15)テラインウォーク;ショートレッグ;プランニング;ショートコーストライアル(男子5女子3)(雨のため実質練習時間は2時間程度)。用意したコースは短縮して実施。午後に稲村・植田が合流。夜の時間を利用して二人づつ組にしてこれまでの練習をまとめるアドバイスと、リレー・個人戦のエントリーなどについて展望を部分的に伝える。 |
9/01 | 休養 |
02 | 練習 シンプロンパスウェスト(10)。4コースを準備。全部で11キロ程度。コンピ、ルートチョイスなどの課題を用意。鈴木卓也合流。31ほど寒くはなかったが、雨+霧 |
03 | 練習 前日のレッグの一部を利用してプランや進み方を確認;ショートコーストライアル(男子4女子3)。その後2ポリレーを実施する予定だったが、カッシー大負傷で中止。カッシーは病院へ。残りはシオンの教会にパイプオルガンをききにいく。天気はよかったので一応気持ちよく練習を終えることができた。 |
04 | 休養 オフィシャルはスイス選手権参加。ユニバー宿舎に移動 |
05 | モデルイペント・開会式 |
06 | ショートディスタンス(晴天)(対応ができていなかった収子・あかね・たくやに対して個人的にアナリシスにコメントをする |
07 | 休養 |
08 | クラシカル(午前中曇りのち雨) |
09 | モデル2;観光を兼ねる |
10 | リレー |
エントリーは通常3段階で行われる。選手の名前を示しでエントリーするノミナル・エントリーが8月中旬であったが、JOAからその手続きのための書類が送られてきたのが、7月の下旬。ほとんど4日くらいしか余裕のない状態で送られてきたのでおおいに困った。ノミナル・エントリーには生年月日と写真が必要なので、あらかじめ事務担当者が集めておくなどの対応をとっておいた方がいいだろう。
(1月前に写真とノミナル・エントリー、アクレディテーションのための書類(選手のパスポート、在学証明、大学のリスト)が必要であり、チーム主カの入所時に一括して処理でさるようにしておく必要がある。
各遠征の成功した点や失敗した点を前回コーチより引継ぐ
今回、特に女子の成功の理由として前シーズン中に開いておいたこの合宿をあげたい。女子選手の全てがこの合宿の参加者であったし、彼女たちは、インカレ以降ユニバーにいたるまでほとんどコーチが予想するとおりの結果を出し続けた。コーチに十分選手を把握する時間的余裕があったこと、彼女たちがシーズンの実戦をとおして、合宿で得た方法論を試す機会があったことが成功に結びついたものと言える。また普段はナショナル・チームと接触もなく、海外に通用する方法論を知識としても知らない選手が一応海外でかっこがつくくらいのレースができたことが今回の遠征の大きな収穫であったが、それも前シーズンの今宿があれぱこそであろう。
前シーズンの遅くても11月ごろにこうした合宿を技術委員会育志+ユニバーOB/OGで開催され、コーチもこの合宿に参加することが望ましい。
選考レースの準備は技術委員会の選考委員が中心になっておこなう。選考資料は前シーズンの結果をまとめたものをコーチが用意することが望ましい。これによってコーチは前シ一ズンからの選手の様子を継続して把握することが可能になる。選考の原案をコーチか示し、他のグルプメンバーと合議の結果選考する。
今国は昨シーズンよりオーガナイザーのトーマスとコンタクトがあったこともあり、重要な情報のほとんどは彼より直接入手した。入手にはファックスが最大の威カを発揮したので、次回もコーチがファックスを所持するかファックス所持者のサポートが望ましい。
上記の仕事の多くを今回は私がおこなったが、事務担当のマネージャーを決め、コーチが本質的な活動に専念できる環境を整えるべきだろう。
セレクションから日本出発までの期間がコーチとしての一番大きな仕事である。セレクション当日に短い時間であったがミーティングを持ち、今後のスケジュールや留童点、コーチングの方法などについての棚子を配った。また現時点での自分のオリエンテーリングの分析やユニバーへの目標・練習計画についてのシートをおよそ10日後に提出させた。その後、前半の合宿では各選手のオリエンテーリングの特徴や課題の把握に努めた。今回は既に何度も見たことのある選手がわりにいたので14人の選手をほぼ一通り見ることができたが、なかなか大変な仕事と言えよう。また、練習状況は所定の用紙で報告するように指示した。
今回は9月のユニバーであったので独自の合宿を3回のべ8回おこなうことができた。加えて5月の(ナショナル・チーム)強化合宿にはほほ全員が参加していたのでかなり密度と量の多い技術的な準備が可能であった。主カとなるであろう4年生がなかなか集まれないことを考えても、3回(選考会直後、5月末、6月末)は確保したい。後半の合宿では、0HPを利用して想定されるテラインでのルートプランの練習をおこなった。これは選手の技術を知る上でも選手間の技術の統一を図る上でも有効だったと思う。また前回ユニバー参加者などを合宿のアシスタントにお願いするようにした。
合宿の連絡や合宿後の技術的な総括、その他連絡のためにニュースレターを作り、かなりこまめに全選手に送った。第7号まで発行したのでほぼ月に2度ほど送ったことになる。情報のみならずコーチの考えを伝える手段ともなるし、合宿に参加できない選手のフォローという役割を果たせたと思う。また特に合宿に参加できなかった選手には電話で連絡をとるようにした。
今年の選手達はユニバーに対する動機づけはかなり高かったが、それでも4年生にとっては就職や教育実習は精神的にかなりの負担であり、その合間を縫って練習したり合宿に出ることは辛かったと思う。こうした状況は前提として受け入れ、その中でできるだけのことをするくらいに考えるしかないだろう。またチーム全体のコーチには手にあまる問題でもある。身近にいるクラブの仲間や個々の選手のコーチと連絡をとり、練習の機会や仲間の提供、精神的なバックアップなどの配慮を依頼するのが現実的な対策だろう。幸い今回の選手の多くはOBや同じクラプ員の理解も高く、かなりレベルの高いパックアップが受けられたことも今回の成功の理由として上げられるかもしれない。
地方の大学の選手には出向いて一緒に練習する機会も持ったが、これはまあ趣味の世界であろう。
トレキャンプがどんな条枠で開催されるかはユニバーの場合、世界選手権のようにいつでも同じという訳ではない。一般に旧共産圏で開催される場合、数日のトレキャンプが設定してあり、いくつかの準備されたテラインの中から日替わりで選択して練習するというパターンが多い。今国の場合トレキャンプはすべてチームの責任であり、練習期のテラインが4ヶ所オ一プンになっているだけだった。併ってコントロ一ルフラッグも日本から持参し、設置・撒去などすべてチームの責任でおこなっていた。練習のコンセプトはスケジュールの記録を見てもらうとわかるだろう。ここ数回の遠征で行っているように、「ゆっくり始める」ことを強調した。地図とテラインの対応→プランを立てて走ってみる→実戦的な走りへが基本である。このトレキャンプの時間は運動強度と量が落ちてしまう傾向にあるので、3日周期でメリハリを付けるようにスケジュールを組んだ。
選手権に入れぱ、コーチも所詮下僕である。期間中多分50本以上の脚をマッサ一ジしたと思う。マッサージの基本的知識と実践はコーチに欠かせない。また薬・テーピング用品、ゴムひもなど選手が必要になりそうなものも店が開けそうなほど?持参した。テープはひざ用の50mのもの、伸縮性のものも含めて15本ほどもっていったし、サポーター類なども用意した。薬についてはドーピングにかからないように愛場氏にみっくろってもらい一通りのものを持っていった。利用したのは、風邪薬、酔い止め、便秘薬、抗生物質(軟膏)、鎮痛剤(これは結局向こうのドクターにもらった。ちなみにバッファリンはドーピングにはひっかからない)であった。この程度の薬は必携品だろう。
選手権でも平気でなんの施設もないところでやるユニバーではテントも必携品である。今回は安斉がテントを山川がタ一プ+ポ一ル+シートを私がシートを持っていったので、雨でもなんとか対応できた。
今後もショートがあるとすればその日は選手同様オフィシャルにとっても辛くて長い一日となるだろう。今回は特に午前と午後のテラインが別で、しかも昼休みのために移動してさらにもう一度移動して決勝の会場であったため、午後終了後ダラダラしていた我々は非常にタイトなスケジュールで動かなけれぱならなかった。事前に動きをシミュレーションして、慌てることのないようにしておく必要があるだろう。
リレーのマススタートもユニバーの場合とってもきつい。今回は優勝が決まった直後におこなわれた。男子でトップから60分離れたらマススタートなのだ。マススタート即順位なしという訳ではないのだから、もしマススタートでも気持ちの余裕をもって選乎が走れるようにコーチはレースの展開状況を把握しておく必要がある。
練習・トレーニング、目標などの資料性のあるものはフォーマットを決めて残す。また報告も単なる感想ではなくて、目標・計画に対応させて分析する。チーム外の人間として技術委員(選考グループ)などにコメントの執筆を依頼する。
次回ユニバーの最初の情報はユニバー時に開催国から渡される。これらの資料は学連に保存すべきものだが、.現在のところ資料の保管・引継ぎ状態には不安があり複写物を学連に、現物をコーチが保持し、次回コーチが決まった時に責任をもって引き継ぐという体制にすることが望ましい。