私にとってユニバーシアードは82年のチェコスロバキア(現在のチェコ)、84年のスウェーデン、90年のソビエト連邦(現在のラトビァ)に続いて4回目となる。全て団長としての参加であるが、最初の2回はまだ母体が日本学連の前身の連絡協(日本学生OLクラブ連絡協議会)の時代で責任感を持って参加していた面も確かにあったと思う。ここ2回は学連の基盤もできあがり、また優秀なコーチも随行してくれているので、私自身は結構気楽な立場での参加で、むしろ競技OLの先端をいく選手達と数日間直接触れ合い、また世界の舞台を直接見ることによって、自分の業務(R.M.0-サービス)の糧にしようという動機のほうが強い。特に今回は将来の日本のOLを担うであろうと思われる選手が多く、国内での業務の停滞を顧みず1年以上前から行こうと決めていた。(黒たして国内業務は著しく停滞しているようである)
さて、「特に今回のユニバーに行こう」という思いは村越氏の方も相当なもので、この報告書にも触れてあるはずだが、事前の準傭(国内合宿や通信も含めた選手のケア)はその量も内容も週去に例を見ない充実したものになっている。私は自分の業務の都合でその内のいくっかにしか参加できなかったが、全ての面倒を見た村越氏には頭の下がる思いである。そして今回の結果はそうした準備を反映してか(村越氏等がスコードやNTで蕃積してきたことも大きく影響している)、依然世界の壁は厚いものの我々としては過去最高の数字を残すことができた。エース鹿島田が絶好調だっただけに、直前の怪我がなければもっといい数字を残せたであろう。
いずれにしろユニバーは「大いなる通過点」であって、その点ほ選手の方も理解して参加していたようである。うまくいったことには自分を誉めてやれぱいいし、新たな壁にぶち当たったようであれば、それをどう乗り越えていくかコーチ共々今後肯定的に取り組んで行けぱよい。特にリレーで上を目指すには不可能ではないがまだまだ相当に厳しい前途があることを選手は思い知ったはずである。鹿島田の怪我も、もしこれが世界選手権であったなら本人もチームも大ショックであったであろうが、気を取り直し次に目を向けていた。来年の世界選手権では怪我を乗り越え去りパワーアップした鹿島田を見せてもらいたい。より詳細なコメントは村越氏からなされているであろうし、数字として記載されているのでそちらを見てもらいたい。
総務的なことの反省点を2点述ぺておきたい。まずは、エントリー関係のことで以前は学連が直接体協内のユニバーシアード委員会と直接連絡を取って行っていた。JOLCにはその旨報告したりあるいは相談に乗ってもらったりしていた。これは学連やJOLCが体協のメンバーではなくいわぱ特別ルートであった。しかし現在はJOCが体協から独立し、社団法人JOAは体協加盟団体である。学連→JOA→JOCというルートで結局きちんとエントリーが為されたのであるが、情報が下におりてくるのがきわめて遅い。最終エントリーを夏休み期闘中のほんの数日で行わなければならなかったし(速達・FAXはいうに及ばず本人が出発後で写真を友人が持っているスナップから切りとるということも)、最終ブリテンは結局正式ルートで手にすることはできなかった(村越氏が直接スイスの友人に送ってもらった)。その間、事務担当の脇田氏(例年幹事長の仕事になっている)は相当振り回されていたようだ。結局我々は、JOAに「JOCの担当者が替わって事務が遅れているみたい」という説明を聞かされただけであった。しっかりした組織体系が構築されることは歓迎すべきことだが、これくらいの業務はちゃんとやってもらいたいものである。今の学連のおかれた立場としてはしつこく催促する以外手はなさそうである。この点次の担当者も心していて欲しい。
もう一点は、今回からショートが新たな種目として加わり選手も男女各6名参加OK(前国まではクラシカルとリレーで選手は各5名)となり、当然滞在期間も長くなった。従って前回せっかく学連の議論を通して予算倍増の100万円(オフィシャル1名の渡航費用を含む=今回は村越氏)にしていただいたものの、そのときの支出基準のままでいくと現在10数万円不足するという事態となっている。報告書の売り上げ収入を充当することは当然として、あとはオフィシャルの現地滞在費用を一部自己負担にするか、学連の予備費から充当できるのか現在の所未定である。次回からは参加人数比を乗じて120万円位にするのが適当と思われるので今後議論していただきたい。