第16回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

小山 温史
東京工業大学大学院


内容

  1. ユニバーまでの準備
  2. レースに対する評価
  3. 全体を通して&要望
  4. 感想
  5. 最後に

ユニバーまでの準備

モチベーション

自分が選考会にチャレンジしようと思った一番の理由は海外でまたオリエンテーリングをしたいというもの。ただ単に研究室に海外に行く言い訳を作りたいという単純なものでしかありませんでした。しかし選考会を通過して、さらに上を目指そうという気持が強くなりトレーニングを頑張ろう!と気合いも入りました。

トレーニング

4月〜6月中旬まで距離を走るトレーニングを中心に行っていく予定でした(今まで距離を走るトレーニングを行ってこなかったので)。しかし、最初の合宿で膝を7針縫う大けがを負ってあっさり出鼻をくじかれてしまいました。全治するのに1ヶ月半ほどかかり、コンディションもあまりあがらないので補欠に代表を譲るかかなり悩みました。このままでは、結果が残すことができないかもしれないので意味がないのではないかと。心身共に状態はよくなかった。でも、怪我をしていてもやれることはやったし、応援してくれる人も多かったのでやってやるぞという気持になれました。トレーニングとしては走るトレーニングが多くできなかったので、上半身の筋トレをメインにやって体幹を強くすることができました。

レースに対する評価

ロング

最初はうまくいっていたが、後ろスタートの人に追いつかれパックになる。そのまま一緒にペースが上がるが、自分にとってはかなりのオーバーペース。途中で切り離されて、OLが乱れてしまった。そのまま現在地ロスト→マップアウト。現在地の見当が付かない現在地ロストなんていつぶりだろうか。かなりショックを受けた。リロケートしたときにはもう相当な時間がたっていた。まだミドルと団体があるので中間でやめるかを悩む。日本の代表して来ているのにこんなことになってしまったことに申し訳ない気持ちでいっぱいに。結局、最後まで完走したが後半OLにならずオーバータイムという結果に終わってしまった。

ミドル

前日のロングで相当な時間オリエンテーリングしていたので、体力面を皆に心配された。しかし、きちっとマッサージや栄養をしっかり取り、ケアしたおかげかあまり疲れが残っていなかった。これは厳しい日程のユニバーではかなり重要!ロングのミスについてもロングはロングと割り切って走ることができた。レースはミスするところは大きく、うまくいくところはすんなりでした。地図と地形の対応が少しずつできたというところだろうか。日本人トップではあったが、成績としては散々でした。

リレー

ライバルとしていたポルトガルに3走の藤沼さんが追いついて帰ってきて、ほぼ一緒にスタート。冷静に行ったつもりが1ポ2ポと大きなミスを立て続けにしてしまう。ここで、日下の言っていた「できないものは、できない」という言葉を思い出し、へたに難しいことをするのをやめて簡単に簡単に行くルートを選択することにした。これがよかったのか、リズムがよくなりまともにOLができるようになった。その結果、タイムはよくないものの順位を保ったままゴールすることができた。どこに行っても自分の身の丈に合ったOLをすることが大事であると実感させられました。

全体を通して&要望

他の海外勢に体力的に敵わないのはもちろんのこと、OL面でまったく歯がたたなかったことに最もショックを受けました。技術的に精神的にまったくエストニアには対応できなかった。エストニアの地図を見る限り非常に簡単に見える。ルートもすぐにわかる。ただ、いざそのルートをたどろうとするとうまくたどれない。他の多くのメンバーもそうだったようだ。平らで地形が非常に少ない場所で行うOLの練習が必要であったろう。トレーニングキャンプ中と実際本戦のレースは地図の雰囲気がかなり違ったのが誤算ではあったが、雰囲気を感じ取るために実際にエストニアでレースをする必要があったかなというのが率直な感想です。これからは現地と対応した合宿・練習をきちっと行なうべきだと思いました。

合宿や本戦に参加してみて、結局派遣する側がどの程度の結果を求めているのか全然わかりませんでした。さらに競技的なフォローが少ないと感じました。誰かが、主にコーチをしてくれるわけでもなかった。エストニア現地ではどういったところをどのように見れば良いのかが分かりませんでした。現地でアドバイスできる経験豊富な人がいて欲しかったです。

感想

結果はとても酷いものになってしまった。反省ばかりです。ただ、トレーニングキャンプ含めエストニアでのOLはエキサイティングでとても楽しかった。特にトレーニングキャンプは結果を気にせずOLのことしか考えなくていい、とっても幸せな時間でした。さらにメンバーにも恵まれ非常にいい遠征になりました。いやー、楽しかったっすよ!!悩むこともありましたが、本当に行って良かったです。いい思いさせてもらったので、これからもオリエンテーリング頑張っていきます!

ユニバーは辛いことも多いが、絶対に楽しいです。チャレンジ出来る人は是非チャレンジしてください!

最後に

オフィシャルとして同行してくださった尾上さん、西脇さんをはじめとする技術委員会の方々、また応援してくださったトータスや東工大つばめ会の皆様に深く感謝します。ありがとうございました。


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