第16回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

千葉 妙
筑波大学大学院


内容

  1. はじめに
  2. 4月~6月
  3. 7月(出国直前)
  4. O-Ringenで
  5. トレキャンにて
  6. 本番
  7. 帰ってきて思ったことなど
  8. 補欠について
  9. 最後に

はじめに

私がユニバーに挑戦したのは、海外でオリエンをしてくる公的な口実がほしかったからだったと思います。海外でオリエンをするのはこれが最初で最後のつもりで特に目標もなく、ただ漠然と、日本での楽しいオリエンのイメージのまま、わくわくしていました。だから、世界の舞台に真面目に挑戦しようとしている人には、これから私がまとめた報告書は役に立たないと思います。こんな代表もいたのかと、参考程度でも読んでいただけたら幸いです。(おまけに、時系列の日記のようになってしまったため、すごく読みにくいです…)

4月~6月

オリエンする上でストレスになること(痛いところがあるとか、地図がすっと頭に入ってこないとか)がなければ、十分に楽しいレースができるだろうという考えだったので、なるべく毎週末オリエンをすること、定期的に走ること(毎日ではない)、基本的な体調管理に気をつけるくらいで、ユニバーに向けての特別な準備はしなかった。みんなよりもトレーニングが足りないという自覚はあったが、学校が忙しくなってきていて、これ以上トレーニングを頑張ると疲れがたまるだけだと思って、無理はしなかった。(いま思うと単なる言い訳だけど…)

7月(出国直前)

そんな中、メンバーの1人、米谷さんの入院・ユニバー欠場が急に決まった。出国まで2週間とちょっとくらい。いろいろな事情から、補欠の阿部さんもユニバーに行けなくなってしまった。このことで、準備してきたことが少ないということに後ろめたさを感じ始めて、不安なまま出国したように思う。

O-Ringenで

トレキャン前に3日間だけ参加したO-ringenで、海外のテレインは日本のテレインと全く違うということを思い知らされた。楽しむどころではなくて、まともにレースしてくることもままならなかった。これまでにないほどの現在地ロストの繰り返し。

大きなミスの原因を突き詰めていくと、日本でのレースではあまり大きなミスに結びつかなかったようなミスや弱点ばかりで混乱した。

トレキャンにて

トレキャン入りする頃に、海外のテレインが日本のものと全く違うということをやっと受け入れられるようになったと思う。

プランする時に、ミスしそうなポイントを少し絞り込めるようになったみたいだった。ただ、私は課題があると、レースで繰り返し気をつけることでだんだん克服していくタイプだと思うので、トレキャンだけでは、エストニアでしっかりとしたレースできるまでには至れなかった。「ミスしそう」とわかっていながら、ちょっとでも他に気をとられると飛んでしまうのが歯がゆかった。やれることはやったはずだったけど、それを本番で活かせる自信は全くなく、本番の地への移動中も不安で不安でしょうがなかった。

本番

ロングでもミドルでも大きなミスをしてしまい、全然だめなレースだった。

ミスしそうなところがわかっているのに飛んでしまうという不安は、モデルイベントでも消すことができなかったため、1つでも小さなミスをすると動揺してしまった。それを切り替えられずにずるずると大きいミスにはまりこんでしまった。

やっぱりトレキャンだけでは日数もレースする回数も少なくて対応することはできなかったということ。私の場合。

帰ってきて思ったことなど

海外でオリエンをして、はじめて自分がどんなオリエンをしていたのかがわかった(わかろうとした)気がしました。今までも速くなるために努力はしてきたつもりだったけれど、それは地形がはっきりしていたり道が発達していたりする、日本的テレインで速くなる努力だったのだと思います。

ちょうど帰ってきて直ぐくらいに、北京五輪が開催されました。新聞にはマイナー競技の選手たちのしてきた苦労、メジャーな競技の選手たちの耐えてきた重圧などが特集されていて、その中で特に、新体操の元選手の言葉が一番心に残りました。「世界に挑戦してきた選手たちは、その経験を後輩たちに伝える義務がある。」そんなような内容だったと思います。帰国してから、私の遠征は何も残らない無意味なものだった、という思いでいたので、それを読んだとたん意味と責任を与えられた気がしました。自分がユニバーに行ったことを本当に無駄にしないためにも、これからユニバーに挑戦する後輩たちのサポートなどをしていきたいと思います。

補欠について

今回、女子の補欠の件で問題がありました。補欠の位置付けをはっきりしておかなければならないと感じました。本番前ならいつ何時でも代わりに走れる存在であるためには、基本的に補欠は現地に行くべきではないかと思います。(オリンピック競技なんかではだいたいそうみたいだし。)レースしないのに行くというのは無駄に思えるかもしれないけど…。今回の補欠は、合宿には他のメンバーと同じように参加し、現地には行かないというのが暗黙の了解みたいになっていたように思います。

最後に

出国前の合宿などでは西脇さんに、現地では尾上さんに、それぞれ大変お世話になりました。お礼は言っても言い尽くせないほどです。

また、所属しているときわ走林会や、筑波大学OL愛好会OB・OGの方々には多くの支援をいただきました。学校の指導教官や研究室のみんなが応援してくれたのも嬉しかった。それらに応える走りをしてこられなかったのが不甲斐ない。ユニバーの経験も活かしたこれからの頑張りで返していくしかないと考えています。

最後に、私のことをいつでも一番応援してくれた家族に感謝です。


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